庄司紗矢香とジャンルカ・カシオーリが新作制作エピソードを語る。インタビュー・ビデオ公開
1999年のパガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールにて史上最年少で日本人初の優勝を遂げ、翌2000年のデビュー以来、ヨーロッパを拠点にワールドワイドな活動を続けるヴァイオリン奏者の庄司紗矢香。11月16日に4年ぶりとなる新作『モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集 VOL. 1』がリリースされた。
かつて「ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ」全曲録音を共に成し遂げたピアニストのジャンルカ・カシオーリと再びタッグを組んだ作品。その制作経緯を二人が語るインタビュー・ビデオが公開された。
イタリア・モンドヴィの教会「Sala Ghislieri」での録音時に撮影された映像の中で庄司は、今回のレコーディングで採用した楽器セッティングについて次のように語っている。「18世紀当時に一番近い製造法で作られた裸のガット弦と、クラシックの弓を使用して弾いています。私は決して、古楽器やガット・ストリングのセッティングが、インタープリテーションの正当性に繋がるとは思っていません。あくまでも、色々な教科書を学んでいくうちに、実際にその美学とロジックをさらに追求していきたいと思って、最終的な段階で決めたことです」。
そして新作の成果について、「今回は特に、モーツァルトの劇的であり感情的なコントラスト、そして、隠された深い悲しみ、またルバートとアンサンブルのズレの観念を深めていけたと思っています。ジャンルカとアイデアを出しながら、装飾音やカデンツァを作っていきましたので、一回一回が繰り返すことのできないものとなっています」と語っている。
一方、レコーディングに全編フォルテピアノで臨んだジャンルカ・カシオーリは、次のように語る。「今回の録音で使用しているのはヴァルターのフォルテピアノで、1805年頃のモデルでモーツァルトが晩年の10年間に使っていたものに近い。この楽器の特性はとても興味深く魅力的で、その音を通してモーツァルトの音楽の特徴を理解することができるのです」。
古典派の当時の楽器セッティングを踏襲しているものの、決して懐古的ではなく、モーツァルトの音楽を表情豊かに、いま生まれるものとして伝えることを主眼として制作されており、庄司&カシオーリ・コンビの新境地を示す完成度となっている。
庄司とカシオーリは12月1日の京都公演を皮切りに、7年ぶりとなるデュオ・リサイタル・ツアーを全国8ヶ所で開催する。ツアーでは二人ともレコーディング同様の楽器セッティングで臨み、新作収録曲も披露される。
■コンサート情報
庄司紗矢香&ジャンルカ・カシオーリ デュオ・リサイタル
2022年12月1日(木) 京都・青山音楽記念館バロックザール
問:青山音楽記念館バロックザール 075-393-0011
2022年12月3日(土) 北九州市立響ホール
問:北九州音楽祭事務局 093-663-6567
http://www.kimfes.com/programTop/program/entry-350.html
2022年12月4日(日) 札幌コンサートホール Kitara
問:Kitaraチケットセンター 011-520-1234
https://www.kitara-sapporo.or.jp/event/event_detail.php?num=4739
2022年12月6日(火) 愛知県芸術劇場コンサートホール
問:クラシック名古屋 052-678-5310
2022年12月8日(木) 住友生命いずみホール
問:いずみホールチケットセンター 06-6944-1188
https://www.izumihall.jp/schedule/20221208
2022年12月10日(土) 三原市芸術文化センター ポポロ
問:三原市芸術文化センター 0848-81-0886
2022年12月11日(日) 横浜みなとみらいホール
問:神奈川芸術協会 045-453-5080
https://kanagawa-geikyo.com/concert/concert-5039/
2022年12月16日(金) サントリーホール
問:ジャパン・アーツぴあ 0570-00-1212
https://www.japanarts.co.jp/concert/p985/
■リリース情報
庄司紗矢香/ジャンルカ・カシオーリ『モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集』
2022年11月16日発売
CD / Apple Music / Spotify /Amazon Music
- 庄司紗矢香 アーティスト・ページ
- 庄司紗矢香 オフィシャル・ページ
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