マックス・リヒターが「リコンポーズド」アルバム10周年を記念して再録音

Published on

© Jennifer McCord

斬新なアプローチで、クラシックとエレクトロニカを融合したポスト・クラシカルのカリスマ作曲家として、絶大な人気を集めるマックス・リヒター。2012年夏に発表されたバロック音楽の傑作を再構築した『リコンポーズド・バイ・マックス・リヒター ~ヴィヴァルディ《四季》』(邦題:25%のヴィヴァルディ)は、22ヵ国のクラシック・チャートで首位を獲得し、「スプリング1」の1億1千万ストリーミングをはじめ、アルバム全体では4億5千万ストリーミング以上を記録し、今なお聴かれ続けている。

発表から10年を経て、リヒターがこの作品の再録音に挑んだアルバム『ニュー・フォー・シーズンズ ヴィヴァルディ・リコンポーズド』が6月10日発売されることとなった。

「新録音のきっかけは、ピリオド楽器(オリジナル楽器)によるこの曲の演奏を聴いたからです」とリヒターは語る。「ヴィヴァルディ当時のパレットを『リコンポーズド』に応用しました」。今回の新録音では、ガット弦とバロック弓を使用した弦楽器を使用してヴィヴァルディ当時の奏法や音色を採り入れている。「ピリオド楽器は、硬質でエッジが効いています。ちょっとパンクロック的なところもあって、すごいんですよ」。さらにリヒターは、自身が演奏するシンセサイザーも見直した。「シンセのストラディバリウスともいえる70年代のモーグを使いました。ピリオド楽器とピリオド・シンセの共演です」

共演は、ヨーロッパ初の多様な民族が過半数を占めるオーケストラとして、クラシック音楽の変革と多様性を体現している「チネケ!オーケストラ」。リヒターの言葉を借りれば、「私たちが生きている世界の現実をアンサンブルでどう反映できるのか、クラシック音楽界の道を照らす灯台」となっている。ソリストにはアメリカの若手ヴァイオリニスト、エレナ・ウリオステを起用、その演奏は作品に「明らかにぴったりだった」とリヒターは語っている。「彼らは若く、その分、未来と一緒に仕事をしているような気がします」。

彼らは、リヒターの新しいスタジオで、作品の研究を続け、ピリオド楽器のテクニックからヴィヴァルディの原曲に含まれる言葉や物語性まで、音楽のあらゆる側面を話し合いながら、作曲家と演奏家が密接に連携して録音作業を進めた。リヒターの新バージョンは、「同じ物語でありながらも、21世紀的なひねりを加えている」ものとなっている。

本日、アルバムから「Spring 1」が先行配信スタートとなっている。


■リリース情報

マックス・リヒター
『ニュー・フォー・シーズンズ ヴィヴァルディ・リコンポーズド』
2022年6月10日発売
iTunes / Amazon Music / Apple Music / Spotify




 

Share this story

Don't Miss

{"vars":{"account":"UA-90870517-1"},"triggers":{"trackPageview":{"on":"visible","request":"pageview"}}}
モバイルバージョンを終了