指揮者ヘルベルト・ブロムシュテット、95歳の誕生日を前にドイツ・グラモフォンよりデビュー
今年7月11日に95歳を迎える指揮者ヘルベルト・ブロムシュテット。名誉指揮者を務めているライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団を指揮したシューベルトの交響曲第8番・第9番の録音が、誕生日に合わせて7月8日(金)に発売されることが決定した。ドイツ・グラモフォンではサンドストレムとリドホルムの作品をゲヴァントハウス管と2003年に録音したディスクが1枚あるが、実質的には今回がドイツ・グラモフォン・デビューになる。
ベルベルト・ブロムシュテットは、1927年7月11日、マサチューセッツ州スプリングフィールドでスウェーデン人の両親のもとに生まれた。ストックホルム、ウプサラ、ダルムシュタット(ケージと)、バーゼル、ザルツブルク(マルケヴィッチと)、ニューヨーク、タングルウッド(バーンスタインと)で学び、その後の指揮者としてのキャリアの礎を築いた。1954年にロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団でプロデビューし大成功を収め、ノールショピング交響楽団において初めて首席指揮者に専任することになった。
ブロムシュテットは60年以上に亘り、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団、デンマーク放送交響楽団、シュターツカペレ・ドレスデン、サンフランシスコ交響楽団などの首席指揮者または音楽監督を歴任している。1998年にはクルト・マズアの後任としてゲヴァントハウス管弦楽団の首席指揮者(カペルマイスター)に就任し、2005年からは同楽団の桂冠指揮者を務める。1981年以来頻繁に客演しているNHK交響楽団で桂冠名誉指揮者を務め、日本においては最も高い支持を得ている馴染み深い指揮者だ。
1980年代にシュターツカペレ・ドレスデンとシューベルトの交響曲全集を録音しているブロムシュテットは、シューベルトとのつながりがあるオーケストラとの再録音を望んでいたが、今回、1839年にシューベルトの死後初めて交響曲第9番を演奏し、レパートリーの中心としての地位を固めているゲヴァントハウス管弦楽団との録音が実現。
今作について、ブロムシュテットは「偉大なシューベルトの交響曲をゲヴァントハウス管弦楽団と一緒に演奏できたことは、素晴らしいことでした。シューベルトが最後に完成させた交響曲第9番は、真に“グレイト”であるために必要なすべてを備えています。ロベルト・シューマンが『いたるところに意味がある』と絶賛したように、シューベルトはベートーヴェンが第九で行ったような哲学的な表現を選ばなかった。シューベルトの交響曲は、すべてに音楽的な意味があるのです」とコメントしている。
なお、先行シングルとして「交響曲第8番ロ短調D759《未完成》より第1楽章:Allegro moderato」の配信がスタートしている。
■リリース情報
2022年7月8日発売
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