新発見されたモーツァルトのピアノ曲をチョ・ソンジンが世界初演、配信スタート
モーツァルト265回目の誕生日2021年1月27日、ザルツブルクのモーツァルテウムにおいて、新たに発見されたモーツァルトのピアノ曲〈アレグロ ニ長調 K.626b/16〉をチョ・ソンジンが世界初演し、その演奏が本日1月29日にデジタル・シングルとしてリリースされた。
この世界初演は、毎年モーツァルトの生誕日前後に生誕地のザルツブルクで行われる音楽祭『モーツァルト週間』で行われ、今年はロックダウンのためオンライン公演となった。
初演を担当したチョ・ソンジンは、1994年ソウル生まれ、2015年のショパン国際ピアノ・コンクールで優勝した日本でも人気の高いピアニストで、比類なきタッチの美しさはモーツァルト作品の演奏に理想的ともいえる。
〈アレグロ ニ長調 K.626b/16〉は、1773年初期、17歳のモーツァルトによる作品と推定されている。楽譜はもともとモーツァルトの末息子の手許にあったが、オーストリアの官吏に譲られ、その後まもなくあやまって人の手に渡ったと推定される。
1800年代後期にはウィーンの美術商が所有していたが、その死後オークションかけられた。楽譜の存在は、モーツァルト作品を整理したケッヘルのカタログの第3版およびそれ以降の版に記されている。だが、作品は専門家に精査されることなく、1900年から1928年のあいだに、何度かオークションにかけられた。
2018年に、この「知られざる」アレグロの楽譜はモーツァルト財団に売却された。そして、慎重な鑑定の結果、モーツァルテウム財団のスタッフとアメリカおよびドイツの専門家がこの作品をモーツァルトのものと判断した。
「これまで知られていなかったモーツァルトの作品を、彼が生まれ育った町であり、そしておそらくこの曲も書かれたと思われる町で演奏できるのは、本当に名誉なことです」とチョ・ソンジンは語る。「そして、私が録音したドイツ・グラモフォンのデジタル・シングルを通して、世界中の方々にこの曲の魅力を味わっていただけることを心から願っています」
〈アレグロ ニ長調 K.626b/16〉は本日より配信スタート。MUSIC VIDEOも公開となっている。
■リリース情報
2021年1月29日発売
『モーツァルト:アレグロ ニ長調 K.626b/16』
チョ・ソンジン(ピアノ)
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