史上最高のクラシック作曲家トップ20:後半
史上最高のクラシック作曲家は誰か?常に上位3位にランクインしているのはバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンの3人だが、それ以外については意見が分かれている。私たちは議論を重ね、最も偉大で影響力のあるクラシック作曲家のリストを作成した。歴代最高のクラシック作曲家トップ20を10人ずつ、2回に分けてご紹介する。(前半)
史上最高のクラシック作曲家トップ20:後半
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732 – 1809)
ハイドンは古典派時代の最高の作曲家の一人である。彼はほぼ独学で、一世紀以上にわたりクラシック音楽の基礎となる形式を確立した。ハイドンには、「交響曲の父」と「弦楽四重奏曲の父」という二つの称号が与えられている。
しかしそれだけではなく、ハイドンは協奏曲、ピアノ・ソナタ、ピアノ三重奏曲にも同様に大きな影響を与えた。ハイドンの最も有名な弟子はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンであったが、彼の音楽はその後のシューベルト、メンデルスゾーン、ブラームスなどの作曲家の音楽にも大きな影を落としている。ハイドンの最も有名な弦楽四重奏曲の一つ、「弦楽四重奏曲ニ長調」作品76を聴いてみよう。
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678 – 1741)
ヴィヴァルディはバロック音楽の発展に多大な影響を与えた。彼は教会、オペラ・ハウス、コンサート・ホールのための音楽に変革をもたらした。しかし、彼の最も重要な業績は弦楽器のための音楽にあった。弦楽器の演奏に様々な新しいスタイルとテクニックを導入し、最も重要なジャンルの一つである協奏曲を確立したのである。
ヴィヴァルディの協奏曲は同時代の音楽家たちの手本となり、その形式はすぐに18世紀のヨーロッパで最も重要なものの一つとなった。ヴィヴァルディの《四季》は、4つのヴァイオリン協奏曲のセットで、クラシック音楽のレパートリーの中で最も人気のある作品の一つだ。
イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882 – 1971)
ストラヴィンスキーは20世紀の最も重要で影響力のある作曲家の一人である。ストラヴィンスキーは、ほぼすべてのジャンルで傑作を生みだしたが、特にディアギレフの「バレエ・リュス」のために作曲した《火の鳥》、《ペトルーシュカ》、そして《春の祭典》などのバレエ音楽は有名で、パリでの初演時には暴動が起きたことでも知られている。
ストラヴィンスキーは長いキャリアの中で、驚くほど幅広いジャンルの音楽を作曲した。ストラヴィンスキーの作品は、ロマン派、新古典派、セリー音楽などの多様なスタイルを網羅している。ストラヴィンスキーのスタイルの特徴は、ロシアの民族的な曲調、リズムのエネルギー、そして卓越したオーケストラの書法などがある。1913年の初演でスキャンダルを起こした《春の祭典》は、現在では20世紀で最も影響力のある音楽作品の一つとして広く評価されている。
フレデリック・ショパン(1810 – 1849)
ショパンはロマン派時代の偉大な作曲家の一人である。ピアニストとして、また作曲家として、彼の音楽的理解と先見性のある想像力は他に類を見ないものであった。彼の作曲スタイルに影響を与えたのは、ポーランドの民族音楽、バッハ、モーツァルト、シューベルトの古典的な伝統、そして彼が頻繁に訪れたパリのサロンの雰囲気であった。
彼のスタイル、和声、音楽形式の革新、音楽と国民性の結びつきは、後期ロマン派の時代を通して、さらに後期ロマン派以降にも影響を与えた。ピアノのレパートリーにこれほど多くの重要な作品を残した作曲家は他にいない。ショパンの最も有名な夜想曲である「夜想曲第2番変ホ長調」をお聴き頂こう。
フェリックス・メンデルスゾーン(1809 – 1847)
メンデルスゾーンは、ドイツの作曲家、ピアニスト、指揮者、教師であり、初期ロマン派を代表する人物の一人。親しい友人であるロベルト・シューマンは、彼を「19世紀のモーツァルト」と述べた。メンデルスゾーンは彼の音楽の中で、ロマン主義の重要な要素を取り入れながらも、古典派の音楽の流儀も尊重し、自作品に反映させている。
《フィンガルの洞窟》や交響曲第3番《スコットランド》、交響曲第4番《イタリア》は、音楽と視覚のロマンティックな融合である。また、《無言歌集》第2集作品30の第6曲、嬰ヘ短調の〈舟歌〉も同様だ。作曲者がスコットランド西海岸沖のヘブリディーズ諸島を訪れた際に霊感を得て書いた演奏会用序曲《フィンガルの洞窟》をお聴きいただこう。
クロード・ドビュッシー(1862 – 1918)
ドビュッシーは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて最も影響力のあった作曲家の一人であり、音楽における「印象派」の創始者とみなされている。ドビュッシーは、ドイツ音楽の支配的な影響を受けていた論理的な形式と動機の発展のさせ方の厳密さに反発して、色彩や感覚、儚い気分、柔軟な形式による新しい音楽を求めた。
それはフランス的であると同時に彼独自のものでもあった。ドビュッシーは非常に独創的な和声と音楽構造のシステムを開発し、彼の音楽は印象派の画家たちの特徴と共有したものがあると認識されている。《ベルガマスク組曲》より、ドビュッシーのピアノ曲の中で最も愛されている〈月の光〉を聴いてみよう。
フランツ・リスト(1811 – 1886)
リストはロマン派時代の最も重要な作曲家の一人であり、史上最も偉大なピアニストの一人と広く考えられている。彼は管弦楽のための「交響詩」を創作し、ワーグナーが叙事詩のオペラで用いたライトモティーフの技法を取り入れた。
練習曲集、《ハンガリー狂詩曲》、《メフィスト・ワルツ》などのピアノ曲は、技術力と表現力の両方を必要とする華麗なショーピースである。彼のピアノ曲の多くは、レパートリーの中でも最も技術的に難しいものであり、リストはピアノ編曲によって他の作曲家の音楽を広めたことでも知られている。一般的にリストの最高傑作と認められている「ピアノ・ソナタロ短調」をお聴き頂こう。
セルゲイ・ラフマニノフ(1873 – 1943)
ラフマニノフは伝説的なロマン派のロシア人作曲家、ピアニスト、指揮者である。彼の音楽の特徴は、壮大なメロディ、超絶技巧が駆使されたピアニズム、甘美なオーケストレーションにある。
彼の作品のほとんどはチャイコフスキーに似た後期ロマン派のスタイルだが、ショパンやリストの強い影響を受けていることは明らかである。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、ピアノのレパートリーの中で最も偉大な作品の一つである。
アントニン・ドヴォルザーク(1841 – 1904)
ドヴォルザークは偉大なクラシック作曲家の一人であり、初めて世界的に認められたチェコの作曲家でもある。ドヴォルザークはチェコの民族的な要素を頻繁に音楽に取り入れていた。
ブラームスに出版を勧められてからは、様々な形式の作曲に専念したが、最も成功したのはオーケストラと室内楽のための作品であった。9つの交響曲の中で最も有名な第9番《新世界より》は、ニューヨーク・ナショナル音楽院の院長時代に作曲されたものである。
グスタフ・マーラー(1860 – 1911)
マーラーのロマンティックなスタイルは、ブラームス、ワーグナー、そしてブルックナーから多くの影響を受けたものである。彼の交響曲は、愛と憎しみ、生の喜びと死の恐怖、自然の美しさ、無邪気さと苦い経験など、膨大な哲学的主題を持ち、しばしば巨大なスケールで構想された。
彼は偉大な歌曲の作曲家でもあり、これらの小さな形式の中で、彼は人間の強烈な感情の本質を蒸留し、その過程で彼の絶妙なメロディ・メーカーとしての才能を発展させ、豊かにした。マーラーの交響曲第5番を聴いてほしい。第4楽章の「アダージェット」は、マーラーの最も有名な作品であり、最も頻繁に演奏されている。
Written By uDiscover Team
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