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息子チャールズ・ベリーJr.が語る父チャック・ベリーのレガシーと想い出
チャック・ベリー(Chuck Berry)の息子であるチャールズ・ベリー・ジュニア(Charles Berry Jr)が、ロックン・ロールのパイオニアを父親に持ち育ったこと、そして突如彼が父のバンドの後期メンバーとしてスポットライトを浴びることになった経緯について、uDiscovermusicに語ってくれた。
才能溢れるギタリストであり雄弁な作詞家であるチャックに対するチャールズ・ベリー・ジュニアの尊敬の念は私たちと同様に強まるばかりだ。ただ異なるのは、彼の場合はファンとしてだけでなく、チャックのたった一人の子供としても同様の敬意を抱いていたという事実だ。
PBSのトリビュート番組『Chuck Berry : Brown Eyed Handsome Man』についての記事で、チャールズは父親のすばらしい遺産を拡大することが彼の現在の仕事だと明言している。彼の自身の評価は、チャックの言葉を巧みに操る才能をあらためて思い知ったことがその大きな原動力になっていると説明してくれた。
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チャールズが語る。
「父の才能は驚異的です。これは父が何よりもまず詩人だったという背景があるからでしょうね。彼は詩作のテクニックを僕の祖父から教わっていたんです。だからメッセージを効果的に伝える言葉の組み合わせや響きを整えるカデンツなどを巧みに取り入れることができたんです」
「それと父の母親が教師だったってことも影響していると思います。彼女は言葉の選び方をとても重視する人でした。人は環境に影響されるというけれども、チャックは自分の身の回りのことを詩という形で表現するのがうまかったんだと思います」
「二度とない機会を父から与えられた」
2000年に入って、チャールズは突如として父親のバンドのメンバーになった。彼が父親のステージを客席で観ていたところ、チャックが彼を見つけるやステージに呼び込んだという全く予期せぬきっかけが全てだった。ベリー・ジュニアが冗談ぽく語る。
「僕はITが好きだってだけで、プロのミュージシャンになるなんて夢にも考えたことはありませんでした。バンドに加わった当時のステージを見てもらえればよくわかる。でも父からすれば、安心して一緒にステージに入られる人間が欲しかったということなんでしょう。おかげで僕は二度とない機会を父からもらったわけです」
「ミュージシャンになることと世界を旅する人間になること、その両方を父は僕に手ほどきしてくれた。僕は小さかったころを除けばアメリカから外に出たことはありませんでした。ヨーロッパ、南アメリカ、そしてアメリカの至る所でステージに上がってきた人たちと一緒に旅をするのは信じられない経験だった。あれは子供を職場に連れて行くっていうやつの究極の形でした」
「それがロックン・ロール」
おかげで彼は、珍しい経験や難しいスケジュールにも何度か遭遇したという。
「1950年代に父が耐え忍んだことを僕が経験するようなことはありませんでした。当時のアメリカはかなり障壁の多い国でしたからね。『朝4時半起床。今日の目的地は?まずセントルイス、次にダラス、その後はフランスへ行って最後はモスクワだ』 っていう話を聞いて、僕たちは全員ステージに上がるわけです。ただし、父は出発してから23時間経っても家を出た時と同じ服を着ていた。あれがロックン・ロールってやつなんでしょうね」
父親の言葉に対する愛情を受け継いだかを尋ねると、彼は笑いながら言った。
「父が持っていたソングライティングの才能は、残念ながら僕は得られませんでした。僕の妹のイングリッドには完璧に受け継がれたっていうのに。でも、僕を飛び越えて、ミュージシャンでもある僕の息子には遺伝しました。彼は、アメリカでいくつかのバンドでアルバムのレコーディングも経験しているんです」
チャールズ・ベリー三世は、現代のギター名人、マイク・ジトの『Rock N Roll : A Tribute to Chuck Berry』 (Ruf Recordsから2019年11月にリリースされている) にも客演を果たしている。同作は、かのロックン・ロールの先駆者のカヴァー・ヴァージョンを20曲収録したアルバムで、ベリー三世はジョー・ボナマッサ、ウォルター・トラウト、エリック・ゲイルズ、ロベン・フォード、サニー・ランドレス、ルーサー・ディキンソンなど錚々たるメンバーと共演を果たした。『Rock N Roll : A Tribute to Chuck Berry』はビルボードのブルース・アルバム・チャートで1位になっている。
チャールズ・ベリー・ジュニアは続ける。
「マイク・ジトはすばらしい。かれこれ15年の付き合いがありますが、父が200回以上プレイしたセントルイスの小さなクラブ (Blueberry Hill) を僕たちのために用意してくれたんです。マイクの楽曲の解釈には感心することしきりです。父の遺産を残すという意味で本当にすばらしい仕事をしてくれたと思っています。光栄なことに彼は僕の息子も起用してくれたんですから」
最後に、父親の歌詞でお気に入りのものがあるかどうか疑問に思いチャールズに尋ねてみた。すると「Teenage Wedding (ティーンエイジャーの結婚式)」だという答えが返ってきた。1964年のシングル「You Never Can Tell」のことだ。
「父の歌詞は聞き手を簡単に歌の世界に引き込んでしまう。曲を耳にした途端、自分が教会にいて新郎新婦が通路から降りてくるのが見えるんです。父は言葉を本当に見事に操るんですよ」
Written By Paul Sexton
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