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ボブ・マーリーのベスト・ソング20曲:大衆の心を掴んだ唯一無二のレゲエ・レジェンド

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Photo: Peter Murphy © Fifty-Six Hope Road Music Ltd

ポスター・アイコン、心揺さぶるラスタファリアニズムのメッセンジャー、永遠の若きヒーロー、ボブ・マーリー(1945年2月6日誕生、1981年5月11日死去)はそれら全てであり、それ以上だった。

何よりも彼は、スピリチュアルなバラードや政治的声明、魅惑的なセレナーデから愛の宣言まで、その多岐に渡る音楽によって大衆の心を掴んだレジェンドだ。ここにご紹介するボブ・マーリーの20曲を聴けば、彼がレジェンドたる所以がおわかりいただけるだろう。

*皆さんの好きなボブ・マーリー作品が抜けている場合は、下記コメント欄にてお知らせあれ。


ボブ・マーリーの20曲:大衆を魅了し続ける永遠のレジェンド

20.「Lively Up Yourself」

ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズは、彼らの芸術への敬意や音楽の喜びを通して、世界に欠如しているものを我々に知らしめた。1971年にリリースされたオリジナル・ヴァージョン、1974年のアルバム『Natty Dread』に収録されている壮麗なシングルカット、あるいは公式ライヴ盤のいくつかに収録されているどれもが傑作だ。

Bob Marley & The Wailers – Lively Up Yourself (Live At The Rainbow Theatre, London / 1977)

 

19.「Could You Be Loved」

まるでジャズ・ファンクのレジェンド、ザ・ブラックバーズのプレイブックから飛び出してきたようなファンキーなイントロと、ディスコ時代にも引けを取らないアップテンポなレゲエ・スウィングから成る、1980年のアルバム『Uprising』の収録曲はすぐさま爆発的なヒットを記録した。その後も聴き継がれ、現在でもその新鮮で快活なサウンドの魅力は損なわれていない。

Bob Marley – Could You Be Loved (Live)

 

18.「Buffalo Soldier」

楽曲タイトルのバッファロー・ソルジャーとは、19世紀後半にネイティヴ・アメリカンを相手に戦った騎馬連隊の総称である。ボブ・マーリーはそのイメージをさらに広げ、アメリカとカリブ海沿岸諸国に住む黒人達が、奴隷の子孫として生き残るために戦わなければならなかった相手として登場させた。

ボブ・マーリーとレゲエ・ヴォーカリストのキング・スポーティーが手掛けたこの曲は、ボブ・マーリーの死後発表されたアルバム『Confrontation』(1983年)に収録され、イギリスで4位を記録した。

Buffalo Soldier (1983) – Bob Marley & The Wailers

 

17.「War」

ラスタファリアンのボブ・マーリーは、この宗教の生き神であるエチオピアの“ハイレ・セラシエ1世”を崇拝していた。非常に重みのあるザ・ウェイラーズのアルバム『Rastaman Vibration』(1976年)に収録されている「War」には、皇帝陛下が1963年10月4日に、ニューヨークの国際連合総会で行なった演説の言葉が直接引用され、平和、尊厳、そして圧制の終焉を、強く、聖書のような途方もない力で訴えかける。

War (1976) – Bob Marley & The Wailers

 

16.「Satisfy My Soul」

ボブ・マーリーが長年こだわっていた、コンセプチュアルな1曲。ザ・ウェイラーズは、トラディショナルな「Satisfy My Soul Jah Jah」、ロマンティックな「Satisfy My Soul Babe」、そして1978年にヒットした「Satisfy My Soul」(以前の名は「Don’t Rock The Boat」)等々、“俺の魂を満足させてくれ”という言葉をコーラス中で起用した曲をいくつかリリースしている。その見事なタッチと安定感、確固たる姿勢により、「Satisfy My Soul」はアンセムとして定着した。

Bob Marley & The Wailers – Satisfy My Soul

 

15.「Small Axe」

ボブ・マーリーが1971年にリー・ペリーとのセッションで初めてレコーディングした「Small Axe」。その物語は、彼がその2年後に『Burnin’』で再び取り上げた頃には現実となりつつあった。ボブ・マーリーは、3人の重要人物(“ザ・ビッグ・スリー”)が存在した70年代初期当時のレゲエ・ビジネス界について、“我々は我々のものを奪わなければならない”と、かつてないほど隠喩的なメッセージで表現している。

Small Axe (1973) – Bob Marley & The Wailers

 

14.「Rebel Music (Three O’Clock Road Block)」

ボブ・マーリーが巻き込まれた、ジャマイカの警官による夜間外出禁止令中に起きた白熱の一夜の騒動が描かれている。しかしながら彼は泣き寝入りするのではなく、皮肉を込めながら互角に応戦する。この物語の真偽に疑いの余地はなく、こうした小競り合いは、アルバム『Natty Dread』がレコーディングされた1974年当時のジャマイカで実際に繰り返し起こっていたのだ。

Rebel Music 3 O'Clock Roadblock (1974) – Bob Marley & The Wailers

 

13.「One Love’/‘People Get Ready」

ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズは、この団結を歌ったアップビートなスカ・ソングを60年代半ばに、音楽家としての出発地点“スタジオ・ワン”からシングルとして発売した。その後1977年に、再びこの曲をレゲエ・スタイルでレコーディングした時、彼はこの曲の歌詞や趣旨がカーティス・メイフィールドの「People Get Ready」に影響されていることを認めている。このシングルはヨーロッパ各国でTOP5入りを果たすヒットとなり、大衆の心を確実に掴んだ。

"One Love/People Get Ready" – Bob Marley & The Wailers | Exodus (1977)

 

12.「Is This Love」

1978年発表のシンプルでロマンティックなナンバーで、巧妙かつ風格漂うという点においては、彼が初めて自らのレコード・レーベルを設立し、一連の美しく頼もしいナンバーを発表しようとした60年代半ば頃のボブ・マーリー作品を彷彿とさせる。お洒落で甘美なこの曲は、イギリスでTOP10ヒットを記録した。

Bob Marley – Is This Love (Official Music Video)

 

11.「Slave Driver」

この曲で登場する歌詞は、アイランド・レコードからリリースされたザ・ウェイラーズのデビュー作『Catch A Fire』のアルバム・タイトルにもなっており、ラスタ・レゲエだからこそなし得た大胆な方法で、奴隷制の時代へと引き戻してくれる。オープニングで披露される甘いヴォーカルは、その後に続く衝撃的な身も凍るような内容を全く予感させない。より衝撃的な結末を演出するために、細心の注意を払いながら質素に仕上げられたこの曲には、そのすべてに意図が込められている。例えばその冷やかな手拍子は、勢いよく打たれる鞭を連想させているのだ。

Slave Driver (1973) – Bob Marley & The Wailers

 

10.「Bend Down Low」

ボブ・マーリーの欲望と不貞の物語が、聖書のような説得力を持つ不思議なナンバー。1967年に初レコーディングされ、その7年後にアルバム『Natty Dread』のためにセルフ・カヴァーされている。これほど情熱的で色気に溢れる欺きについて歌った作品はかつてなかった。

Bend Down Low

 

9.「I Shot The Sheriff」

ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズは以前にも、類似した物語について歌ったカーティス・メイフィールド・ナンバー「I Gotta Keep On Moving」をカヴァーしていたが、アルバム『Burnin’』(1973年)に収録のヴァージョンでは、英雄気取りなジャマイカの警官についての物語にさらにもう一歩踏み込んでいる。

彼はこの曲について、当初は70年代初期にラスタ達を攻撃する警官について書くつもりだったが、ウェスタン映画のような物語に置き換えて比喩的に取り上げた方がより時宜にかなった作品になるのではないかと感じていたと明かしている。エリック・クラプトンが1974年に発表した自身の復活アルバム『461 Ocean Boulevard』の中でこの曲を取り上げてヒットさせ、ボブ・マーリーのアーティストとしての知名度を上げるのに一役買った。

I Shot The Sheriff (1973) – Bob Marley & The Wailers

 

8.「Rasta Man Chant」

アイル・オヴ・スプリングスの丘で誕生した“ボンゴ・マン・チャント”は、スカ以前の時代からジャマイカ音楽の色濃い特徴だったが、そのヘヴィー・ウェイトなサウンドは、外の世界では知られていなかった。アルバム『Burnin’』に収録の、美しい旋律が心に残るこの曲で、地方に根ざしていたラスタ・ルーツのメッセージが、多くの新しいリスナーの耳に届いた。一度聴いたら、決して忘れることのないナンバーである。

Rasta Man Chant (1973) – Bob Marley & The Wailers

7.「Stir It Up」

国際的な視野を持っていたボブ・マーリーは、70年代初頭にアメリカのR&Bシンガー、ジョニー・ナッシュがレゲエ・ヴァイブを求めて彼を訪ねて来た時、1967年に彼がレコーディングしたこの曲を喜んで売った。ジョニー・ナッシュのヴァージョンは1972年にヒットを記録したが、その翌年、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズは、よりディープなレゲエのフィーリングを足したヴァージョンをアイランド・レコードからの初のアルバム『Catch A Fire』に収録した。

Stir It Up (1973) – Bob Marley & The Wailers

 

6.「Natural Mystic」

ボブ・マーリーは旧約聖書に言及したり、アフリカや永遠性について一挙に取り入れたこの曲によって、ジャマイカの重苦しい田園地帯の中で経験する時の経過の神秘を想起させる。それは魔法のように魅力的であり、非常に神秘的なのだ。1977年に、またそれ以外の時代においても、このような作品を生み出すことが出来た人物は、彼をおいて他にいただろうか?

Natural Mystic (1977) – Bob Marley & The Wailers

 

5.「Waiting In Vain」

ボブ・マーリーが恋愛をテーマを取り上げたのは、この曲だけではない。1966年にザ・ウェイラーズが歌った「I’m Still Waiting」は、その後ジャマイカのアーティスト達によってカヴァーされ、レゲエの名曲となった。一方で、ボブ・マーリーが「俺のこと愛してくれているかな」と問う魅力的なスキャンクで知られるこの曲は、より高く羽ばたき、1977年にスマッシュ・ヒットを記録した。

Waiting In Vain (1977) – Bob Marley & The Wailers

 

4.「Jamming」

ボブ・マーリーが考えるジャムとは、単にミュージシャン達が集まってはアドリブでフレーズを交換することではなかった。それは彼にとって愛と結束を意味していた。シンプルで魅力的なコンセプトとメッセージを持つこの曲は、1977年にレゲエのアンセムとなった。

Jamming (1977) – Bob Marley & The Wailers

 

3.「Three Little Birds」

この曲は自然に耳を傾け、世界を受け入れれば物事は上手くいくという非常に率直なメッセージが詰まった、ボブ・マーリーの重要シングルのひとつだ。この「Three Little Birds」のインスピレーションについては、諸説あるが(ボブはバッキング・シンガー達を“ザ・リトル・スリー”と呼んでいたと言われる)、ひとつ確かなのは世界がこの曲を心から受け入れたことだろう。ポジティヴなヴァイブを持つこの曲は、1980年にヒットを記録し、現在でも大切にされている。

Three Little Birds (1977) – Bob Marley & The Wailers

 

2.「No Woman, No Cry」

ボブ・マーリーが世界的にブレイクするきっかけとなった曲だ。1974年の傑作『Natty Dread』のために初レコーディングされ、アルバム『Live!』収録用にロンドンのライシアム・シアターでのエレクトロニック・ナイトで披露され、スマッシュ・ヒットを記録した。貧困に苦しむ人々の生活を支えるこのアンセムが、現在でも深い感動を生み、人々の励みになっていること言うまでもない。

No Woman No Cry [Live] (1975) – Bob Marley & The Wailers

 

1.「Redemption Song」

1980年にリリースされたこの深く感動的な遺言によって、それまで見落とされがちだったボブ・マーリーのフォークでアコースティックな側面が広く世間に知れ渡った。「Redemption Song」はボブ・マーリーの遺作となった『Uprising』を締めくくるナンバーだった。また、さらに感動的なヴァージョンがボックスセット『Songs Of Freedom』に収録されている。重い病に侵されていたボブ・マーリーは、生前最後となったギグで、他のアーティストなら心と意志が萎えてしまうような苦しみを抱えながら、彼にしかなし得ないパフォーマンスを披露している。

Bob Marley & The Wailers – Redemption Song

 

Written By Ian McCann




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