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ノラ・ジョーンズ、4年ぶりのアルバム『Pick Me Up Off The Floor』発売決定。先行配信曲はウィルコのジェフ・トゥイーディーと共作
シンガー・ソングライターのノラ・ジョーンズが、通算7枚目となるソロ・アルバム『Pick Me Up Off The Floor』を2020年5月8日にブルーノート・レコードよりリリースすることを発表した。本日、予約がスタートし、それに伴いリード・トラックの「I’m Alive」が先行配信された。(*発売日は6月12日に変更となっています)
しばらく「アルバムを作る」というルーティンから遠ざかっていたノラは、コラボレーション・シングルの連続リリースという新しい挑戦していたが、書き溜めていた楽曲に偶然繋がりを見出し、アルバム制作を決意。
「ラフミックスを携帯にいれ、犬の散歩をするときに聴いていた。そしたら、いつしか頭から離れなくなっていたんです。そして、気づきました。どの曲にも不思議な一貫した特色があるんじゃないかって。まるで神と悪魔と心と国と地球と私の間のどこかで起きている夢の中、熱病にうなされている感覚だったんです」と語った。
今回のアルバムでは、ピアノ・トリオのジャズをベースとしながらもブルース、ソウルにもインスピレーションを受けたオリジナリティ溢れるメロディが収録される。歌詞やアルバムのテーマには強い思い入れがあり、下記のように語っている。
「ここ数年、この国、この世界に生きてきて、どこかに “私を引き起こして(Pick Me Up Off The Floor)” という感覚があるんです。立ち上がり、この混乱から抜け出して、どうにかしたい、という思いが」
「もしこのアルバムに闇の部分があっても、それは迫り来る破滅じゃありません。むしろ、人としてつながりを求め、焦がれる気持ちに近い。パーソナルと呼べる曲が何曲かありますが、それらも人間全員が直面している、より大きな問題と表裏一体なんです。同様に、すごく大きな何かを歌っている曲も、実はパーソナルな曲だったりします」
制作期間に関してノラは「たまたまそういうゾーンに入っていたのか、それとも(さまざまなセッションという)プロセスからその気になったのかは、わかりません。でも去年の私は、これまでで一番クリエイティヴな気分でした」と精力的な一年を振り返る。
2曲を除いてプロデュースも彼女本人が行った。アルバムの核となる部分に関しては、制作初期の段階で彼女と親交が深いドラマーのブライアン・ブレイドとのセッションで完成していたが、アルバムを通して固定のバンド・メンバーは置かず、ジョン・パティトゥッチ(b)、ネイト・スミス(ds)など、総勢20名以上の実力派アーティストが立ち代わり登場する。
先行配信された「I’m Alive」はアメリカのUSインディー・ロックをけん引してきたバンド、ウィルコのフロントマン、ジェフ・トゥイーディーとのコラボ楽曲で、作詞作曲を共に行い、プロデュース、ギター、ベースをジェフが担当し、ノラがヴォーカルとピアノを務めた。ジェフの息子であるスペンサー・トゥイーディーもドラムとして参加している。
また、日本盤には芥川賞受賞作家、川上未映子が手掛けた歌詞対訳が収録。彼女からは下記のコメントが寄せられている。
「じゅうぶんに愛し、じゅうぶんに傷つき、そして自分の目と手と耳で考え、いくつもの波を乗り越えてきた人から届けられるこの楽曲たちは、わたしたちへの温かな贈り物である。目の前にある危機や感情をしなやかに見つめ、それらが彼女の声になってみせるとき、わたしたちはそこにしか現れない世界への対峙を、喜びのうちに知ることになるだろう」
ノラ・ジョーンズ『Pick Me Up Off The Floor』
2020年6月12日発売
CD / iTunes / Apple Music
【収録曲】
01. How I Weep
02. Flame Twin
03. Hurts To Be Alone
04. Heartbroken, Day After
05. Say No More
06. This Life
07. To Live
08. I’m Alive
09. Were You Watching?
10. Stumble On My Way
11. Heaven Above
*日本盤ボーナス・トラック2曲収録予定
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