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ザ・ビートルズ『Sgt. Pepper’s』発売当時のチャートや音楽市場の様子とは?
ザ・ビートルズの伝説を後から知った世代にとっては、アルバム『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』がリリースされた当時、全英チャートでの初登場の順位は8位だったことに驚くのではないだろうか。全米チャートでは、1967年の6月24日まではベストセラー・リストに入らず、ようやくデビューできた順位は同じく8位だった。
『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』は発売当時に概ね高く評価され、大西洋の両側にいる数多くのファンによって数百万枚を売り上げ、永久的なヒットとなった。イギリスでは2週目から23週連続で首位を独走し、アメリカでも同じくチャート登場2週目からその後15週間に亘って1位を記録した。
しかしながら、当時の音楽ファンにとってはお金の使いどころは様々だった。イギリスで『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』が初めて首位を奪ったのは、それまで2年以上に亘ってチャートに君臨していた超ロングセラーの映画『サウンド・オブ・ミュージック』のサウンドトラックからだった。当時、もうひとつの注目作はザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのデビュー作『Are You Experienced』で、このアルバムはチャートイン3週目で6位から2位まで順位を上げていたが、その年の冬まで続いた『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』の揺るがない1位独走により、結局1位を獲れずに終わった。
アメリカでは、想定内の皮肉だったのがモンキーズが自身3作目『Headquarters』で1位を獲得できるものだと思っていたり、その頃わずか7ヶ月の間に1位を3度獲得して乗りに乗っていたザ・ティファナ・
『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』はアメリカでの“サマー・オブ・ラブ”への扉を開いた作品として広く知られているが、実際のところ当時はまだまだそこへ差し掛かかる途中だった。イギリスの音楽ファンの多くは、曲としてもヒットとなったジュリー・アンドルーズが歌う「The Hills are Alive」が収録された映画『サウンド・オブ・ミュージック』のサントラの首位独走が続くと信じており、アメリカ人はテレビでモンキーズを見て彼らのレコードを買うという状況。はたまたイージー・リスニングの巨匠であったハーブ・アルパートやアルバム『Born Free』がTOP10入りする人気を誇っていたアンディ・ウィリアムスの音楽でリラックスしていたという時代だった。ソウル・ファンは、コロンビア・レコードでの数年の下積み時代を経て、アルバム『I Never Loved A Man The Way I Loved You』で大ブレイクしていたアレサ・フランクリンを買っていたかもしれない。
サマー・オブ・ラブに影響を与えた他の作品としては、ドアーズやジェファーソン・エアプレインの『Surrealistic Pillow』などがあり、これらは『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』から数週間後にリリースされていて、エンゲルベルト・フンパーディンクらともチャートを争っていた。イギリスでチャートを独走する一方で、アメリカでもモンキースを抑えて2週目で1位になった『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』はそこからその年の10月まで15週連続で1位をキープした。
Written by Paul Sexton
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