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デラニー&ボニーが”&フレンズ”をつける前にスタックスから発売したデビュー盤『Home』

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デラニーとボニーのブラムレットの夫妻からなるチームは、1969年のデビュー・アルバム『Home』をリリースした後の時期が一番よく知られていることだろう。自身の名前に“アンド・フレンズ”と加え、ジョージ・ハリスンエリック・クラプトン、レオン・ラッセルらのスーパースターたちと共演をしたのだから。

しかし、その起点となったアルバム『Home』を見過ごすわけにはいかない。ミシシッピー州ポントトックにあるデラニーが育ったログ・キャビンからアルバムタイトルは付けられ(アルバム・カヴァーの写真は二人がデラニーの祖父ジョンと一緒にその玄関に座っている)、音楽的にはブルー・アイド・ソウルのアプローチで、ブッカー・T&ザ・MG’sのメンバー4人を含む本格的で魅力的なスターたちに支えられ、しかもブッカー・T&ザ・MG’sのベーシストのドナルド・”ダック”・ダンはメンフィスのエースであるドン・ニックスとともにアルバムを共同プロデュースしたのだ。

デラニーとボニー・ブラムレットは素晴らしいオリジナルの楽曲を作り、さらにもう1人のベーシスト、カール・レイドルともコラボレートした。背が高く、しまっていて、眼鏡をかけたカール・レイドルは、レオン・ラッセル、ゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズ、ジョージ・ハリスン、エリック・クラプトン、デレク&ザ・ドミノス、J.J.ケイル、フレディ・キング、リタ・クーリッジ、ボブ・ディラン、ジョン・リー・フッカー、アート・ガーファンクル、バディ・ガイなど数多くのアーティストのリズム・セクションを担当していた。

アルバムには親しみがあり、まだ新鮮なスタックス/ヴォルトの楽曲を収録し、その選曲にはスティーヴ・クロッパー(魅了的なリードとリズム・ギターを演奏している)、アイザック・ヘイズとデヴィッド・ポーター、そしてバート・バーンズとジェリー・ラゴヴォイの名作「Piece Of My Heart」はアーマ・フランクリンとビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニーにとって大ヒットとなり、メンバーのジャニス・ジョプリンのヴァージョンがその代表となったものだ。

レコーディングは1968年から1969年にかけて行われ、アルバムにはそのセッションから10曲が収録されている。(2006年の『Resequenced And Expanded』エディションでは未収録の楽曲もあり、中には「A Long Road Ahead」、「Things Get Better」、「All We Really Want To Do」、「Look What We Have Found」、「I’ve Just Been Feeling Bad」、「Dirty Old Man」そしてブラムレットの代表曲「Get Ourselves Together」が含まれる)。

Delaney And Bonnie Home Record Label

10曲入り約30分間のアルバム『Home』は1969年5月にリリースされたが、今でもチャーミングなアルバムだ。デラニーとボニー・ブラムレットの声は素晴らしく、演奏も予想通り非の打ち所がない。また、リズム・セクションも見事に調理しているが、同時にウェイン・ジャクソンとアンドリュー・ラヴ、そしてその他のトランペットやサクソフォンのスペシャリストが揃うメンフィス・ホーンズが奏でる音色は見事だ。

優しいスウィンギング・ソウルであることが強調されているが、時にはイージー・リスニングもあり、ゴージャスな「Things Get Better」はラヴァーズ・ロックのようで、「Hard To Say Goodbye」のパリッとしたポップのアレンジメントなど、寄り道もしている。

ジョージ・ハリスンにアルバムを勧められたエリック・クラプトンは、デラニー&ボニーは自身のスーパーグループ、ブラインド・フェイスよりも良いと感じだ。「It’s Been A Long Time Coming」やホーマー・バンクスとデラニーが書いた曲「Pour Your Love On Me」を聴くとなぜそんなにクラプトンが惚れ込んだかが理由がわかるだろう。その後の彼の作品の参考となるサウンドがそこにあったのだ。

そのお陰で、ブラムレット夫妻だけでは成し遂げることができなかったかもしれないレベルの名声を得たが、この愛すべきホームのディスク以上に良い作品ができることは稀だった。

Written by Max Bell



デラニー&ボニーの『Home』

デラニー&ボニー『Home』

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