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ウェールズ人ロッカーのバッジー、アナログ盤リイシュー
サイケデリック・ミュージックがハード・ロックに向かってゆっくり進んで行った時代に、ウェールズのカーディフで産声を上げバッジーは、常にユニークな存在だった。この有能なミュージシャンは、ロックからへヴィ・メタルやプログレへと、容易く転換しながら、音楽シーンに大きな影響をあたえた。ブリティッシュ・ヘヴィ・メタルのレジェンド、アイアン・メイデンが「I Can’t See My Feelings」(オリジナルは1975年『Bandolier(邦題:反逆の群狼)』収録)をカヴァー、スラッシュ・メタルの先駆者メタリカが「Breadfan」及び「Crash Course in Brain Surgery」(それぞれ1973年の『Never Turn Your Back on a Friend』及び1974年『In For The Kill!』収録)をカヴァー、そしてヴァン・ヘイレン初期のギグでは『In For The Kill!』のタイトル・トラックがパフォーマンスされる等、バッジーの曲は後の世代のアーティストに影響を与え、ヘヴィ・メタル・ミュージックの発展の中で数多く登場した。
2016年の3枚組CDボックス・セット『The MCA Albums 1973-1975』リリース後、バッジ―の主要アルバム3枚が今回アナログ盤でリイシューされる。
レコード2枚(1971年のセルフ・タイトル・デビュー作と、その翌年発表の『Squawk』)リリース後、『Never Turn Your Back…』でグループは実力を発揮し当然の評価を受ける。一流のオリジナル・メンバー3人組バーク・シェリー(ヴォーカル、ベース)、トニー・ボージ(ギター)、そしてレイ・フィリップス(ドラムス)によりレコーディングされた本作は、プログレ・アルバムのカヴァー・デザイナーのレジェンド、ロジャー・ディーン(最も有名なのはイエスの伝説的作品)によるものだ。同アルバムはグループのファン層を構築し、1974年の『In For The Kill!』への舞台を整えるのに一役買った。結果『In For The Kill!』はUKトップ30入りし、バッジーにとってチャート最高位を獲得したアルバムとなる。
創設者レイ・フィリップス抜きでレコーディングされたにも拘わらず(後任ドラマーはピート・ブート)、本作はグループ初期作品を踏まえたものであり、中でも注目すべきは1971年リリースのシングル「Crash Course in Brain Surgery」の再レコーディングが収録されたことだ。
翌年リリースされた『Bandolier』で、バッジーに新ドラマーのスティーヴ・ウィリアムズが加わる。その後グループのキャリアはA&Mへ、そしてその後にはRCAレーベルへ移籍し、幾度かのメンバー・チェンジを経験する(創設者バーク・シェリーはその間ずっと大黒柱であり続ける)。しかしこれ全てをまとめると、バッジーの最も重要な作品の代表格は、この3枚のアルバム中に集められているといえるだろう。
バッジ―のアナログ・リイシュ―は現在発売中。UNIVERSAL MUSIC STOREはこちら