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コステロやキースも敬愛するジョージ・ジョーンズ:カントリーの歴史の中で最も偉大な歌手の一人
“ポッサム”というあだ名で呼ばれたカントリーの伝説的歌手は、1931年9月12日にテキサス州サラトガで生まれた。彼をカントリーの歴史の中で最も偉大な歌手として考える人はたくさんいる。言うまでもなく、これはジョージ・ジョーンズの話だ。
ジョーンズは1955年に初めてのヒット曲「Why Baby Why」を出して以来、50年近くに亘ってカントリー・シーンでとてつもない存在感を示してきた。今のところ、最後にヒットしたのは2002年の「50,000 Names」それまでにジョーンズはナンバー・ワン・シングルを13枚出してきた。その中には、「She Thinks I Still Care」「We’re Gonna Hold On」「Near You」(妻のタミー・ワイネットとのデュエット)、「He Stopped Loving Her Today」といった不朽の名曲が並んでいる。
その多く(特に、彼がカントリー界の人気者になってからの作品)は、本人が抱える薬物中毒、タミーとの夫婦関係の悪化などの問題が世間に広まったおかげで、さらに実感を持って受けとめられることになった。
ジョーンズは、忠実なるファンだけでなく、カントリー界の他のミュージシャンにも深い影響を及ぼしてきた。「ジョージ・ジョーンズは今もお気に入りの歌手だ」とウェイロン・ジェニングスは1971年に語っている。「彼は史上最高の歌手だと思う。ジョージ・ジョーンズよりも上手に歌える人間なんて、ひとりもいないんじゃないか」。
ジョージ・ジョーンズが存在感を放っているのは、カントリー界の中だけではない。ボブ・ディラン、キース・リチャーズ、エルヴィス・コステロ、リンダ・ロンシュタットといったロックの大物ミュージシャンも彼を讃えている。このうちリンダは、1974年にこう語っている。「お気に入りの歌手はジョージ・ジョーンズ。あの人は本当にいい。レイ・チャールズと同じくらい素晴らしい」。
またエルヴィス・コステロはジョーンズと一緒にレコーディングをしている。それはキース・リチャーズも同じ。彼はやはりジョーンズの大ファンだった故グラム・パーソンズと付き合ううちに、ファンになった。ジョーンズとデュエットした「Say It’s Not You」について、キースは自伝の中でこう書いている。「ジョージは素晴らしい共演相手だった。なにより、あんな髪型をしていたのだから。とてつもない歌手だ」。
Written By Paul Sexton
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