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ポリス『Ghost In The Machine』の素晴らしさ
ポリスのマルチ・プラチナ・ディスクを獲得した3作目『Zenyatta Mondatta』は全米アルバム・チャートに3年近くチャートインし、「Don’t Stand So Close To Me(邦題:高校教師)」はバンドにとっての3つ目となるイギリスでのNo.1ヒットとなっただけではなく、1980年中UKで最も売れたシングルともなった。
誰が見ても驚異的な成功となったアルバムは、スティング、アンディ・サマーズ、そしてスチュアート・コープランドを、その後1983年6月にリリースされた5枚目『Synchronicity』で世界的スターとなる道へと導いた。
しかし舞台裏では、ポリスと共同プロデューサーのナイジェル・グレイはA&Mから3週間でアルバムを完成するようプレッシャーをかけられていた為、『Zenyatta Mondatta』の制作は困難に満ちていた。その結果、締め切りギリギリとなり、最終セッションはアルバム・プロモーションのための世界ツアーへ出発する当日の朝4時に終了した。
それに比べると、4作目のLP『Ghost In The Machine』は、制作に6ヶ月という余裕のある期間が与えられ、1981年10月2日に発売となった。ジェネシス/ヒューマン・リーグのプロデューサー、ヒュー・パジャムがグレイと入れ替わり、モントリオールのル・スタジオとジョージ・マーティン卿が所有するカリブ・モントセラト島にある豪華なAIRスタジオにてアルバムは完成された
脆いギターが中心となった『Zenyatta Mondatta』とは違い、『Ghost In The Machine』のよりハードで詰まったサウンドはキーボードとブラスに頼っており、その殆どがバンドの主な作曲者であるスティングが演奏をした。「One World (Not Three)」と揺るぎない「Too Much Information」は病み付きになるホーンのリフを中心に構成されており、杭を打ち込むような「Demolition Man(邦題:破壊者)」(後にグレース・ジョーンズがカヴァーをした)とアンディ・サマーズ作曲の「Omega Man」はポリスの最もアグレッシヴな曲として知られている。
しかし重要なのは『Ghost In The Machine』にはバンドの最も不朽なシングルが幾つも含まれていることだ。ループするシンセを基に構成され謎めいた「Invisible Sun」(北アイルランド問題を取り上げた力強いリリック)をシングルとして発売したのは大胆な選択であったが、UKでは2位にまで昇りつめた。神経質なレゲエ調の「Spirits In The Material World」もUKとUSの両方でトップ10枠の少し外にまでランクインしたが、アルバムの大ヒットとなったのは喜びに満ちたカリブ調の「Every Little Thing She Does Is Magic」で、1981年10月にはUSでは3位に、そしてUKではチャートのトップを飾った。
ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツや当時新人のU2などがサポートとして参加した壮大な120日間のワールド・ツアーも宣伝効果として発揮され、『Ghost In The Machine』は様々な肯定的な評価を受け、著名な前作の売上数を超え、USだけでトリプル・プラチナ・ディスクを獲得した。
Text by Tim Peacock
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