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ダイアー・ストレイツ最後のスタジオアルバム『On Every Street』
1991年9月28日、ダイアー・ストレイツのアルバムが全米アルバム・チャート入りしたが、これのアルバムが最後のスタジオ・アルバムになるとは当時は誰もわからなかった。バンドの6枚目、そして結果として最後のリリースとなった『On Every Street』はその日全米チャートに初登場し、最高位12位に達した。
このアルバムは、何百万枚も売り上げた1985年のアルバム『Brothers In Arms』の発売に続く大規模な世界ツアーをはさみ、6年と4ヵ月後に発売された。世界中のスタジアムや巨大なアリーナを回る大規模なツアーと厳しいスケジュールは、マーク・ノップラーにとって、もはや彼が求めている世界ではないときっぱりと気づかせるものだった。
我々も知っているとおり、ダイアー・ストレイツは、彼等の解散を正式な声明で発表したことは一度もない、しかし、そのヒントは、1990年にリリースされた、ダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーとキーボーディストのガイ・フレッチャーが所属していたグループ、ノッティング・ヒルビリーズのアルバム『Missing…Presumed Having A Good Time』で与えられている。1995年までに、マーク・ノップラーは、ダイアー・ストレイツ以外の活動に傾倒していき、最終的に、その1年後に、サントラ以外では初となるソロ・スタジオ・アルバム『Golden Heart』をリリースしている。
ダイアー・ストレイツの『On Every Street』は全てのファンにとって、バンドのストーリーにおける完璧な最終章ではなかっただろう。しかし、多くの記憶に残る楽曲を生み出し、とりわけ、リード・シングル 「Calling Elvis」は、マーク・ノップラーの特徴的な軽快でロックなギターのひとつの見本となった。その後、アルバムから3枚のシングル、個性的でロックな「Heavy Fuel」、内省的な「On Every Street」そして、ロックン・ロールな「The Bug」がリリースされた。 他にもあまり知られていない名曲「Fade Top Black」や 「You And Your Friend」が収録されている。
アルバムは、ポール・ヤングのシングル・コレクション『From Time To Time』にかわって、イギリスで初登場1位を獲得した。ダイアー・ストレイツは4週間TOP10にとどまり、その後27週間チャートインし続けた。最終的には、36週もの間チャートにとどまった。イギリスでアルバムがリリースされてから10日後、アルバムはダブル・プラチナムを獲得している。
Written by Paul Sexton
ダイアー・ストレイツ『On Every Street』