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ソウル・シンガーのブレントン・ウッドが83歳で逝去。その功績を辿る
代表曲「The Oogum Boogum Song」や「Gimme Little Sign」などで知られるソウル・シンガーのブレントン・ウッド(Brenton Wood)が83歳で逝去した。
彼のマネージャー兼アシスタントであるマニー・ガレゴスは、Varietyの取材に対し、ブレントン・ウッドがカリフォルニア州モレノバレーの自宅で自然死したことを明らかにしている。彼は亡くなる前、ファンへの最後のメッセージとして、1967年の自身の楽曲にちなんで「Catch You on the Rebound(君に再び巡り会えるときを待っている)」と伝えていたという。
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その生涯
ルイジアナ州シュリーブポートで本名アルフレッド・ジェシー・スミスとして生まれたブレントン・ウッドは、その後、家族と共にカリフォルニア州サンペドロへと移住した。幼少期に音楽への愛に目覚めた彼は、地元の大学に進学後、在学中に地元のR&Bバンドで歌い始める。その後、ソロ・アーティストとしての道を選び、“ブレントウッド”という地名にちなんだステージネームで活動を開始。彼のインスピレーションは、サム・クックやジェシー・ベルヴィンだった。
初期のシングルを数枚発表後、1967年にダブルショット・レコードと契約した彼は、同年、キャリア最大のヒット曲をリリース。ブレイクのきっかけとなった「The Oogum Boogum Song」は、ビルボードR&Bチャートで19位、Hot 100で34位にランクイン。彼はこの楽曲の制作についてサンディエゴ・ユニオン・トリビューン紙に語っていた。
「歌詞を何百回も並べ替えながら、完成するまでに約6週間かかった。この曲は、ベルボトムのヒップハガーやハイヒールのブーツ、ホットパンツといった、女の子が着ていたさまざまなスタイルの服など、60年代のファッションの変化を歌ったものなんだ」
「Gimme Little Sign」はさらに大きな成功を収め、Hot 100で最高9位を記録した。
1972年、ブレントン・ウッドは自身のレーベル“プロフェシー・レコード”を設立し、その後も“ミスター・ウッド・レコード”から数々の作品を発表。彼はラテン系コミュニティから熱狂的な支持を受け、チカーノ音楽のレジェンドたちとも頻繁に共演していた。
昨年、彼は引退ツアーをスタートさせていたが、健康上の理由で一時中断を余儀なくされた。また、2024年にはクラフト・レコーディングスから、彼の名曲集『Brenton Wood’s 18 Best』が再発されている。
Written By Sam Armstrong
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