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ビリー・アイリッシュがドラマ初出演で話題、アマプラで配信中『キラー・ビー』とはどんな作品か?

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Courtesy of Prime Video

2023年3月16日からAmazonプライム・ビデオで公開されたドラマ『キラー・ビー』(原題:Swarm)。ビリー・アイリッシュがドラマ初出演したことでも話題になっている作品だが、ドラマファンにとって重要なのは、音楽面ではチャイルディッシュ・ガンビーノとして活躍するドナルド・グローヴァーが手掛けた人気シリーズ『アトランタ』以来となる作品であることだ。

このドラマはドナルド以外に、『アトランタ』の共同エクスクルーシヴ・プロデューサーであるジャニーン・ネイバースによって共同製作された。それではこの作品がどんな作品なのか、ビリー以外の有名出演者などをご紹介しよう。

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タイトルの意味とビヨンセ

『キラー・ビー』は黒人の女性ポップ・スターであるナイジャに心酔するファンのドレが、1800ドル(約24万円)ものコンサート・チケットをなんとか購入するところから始まる。物語はナイジャへの狂信的な想いが膨れるにつれ、ドレが人生を踏み外していく様子が現代ホラーとして描かれている。

ドラマの最初には「本作品はフィクションではない。実在の人物や事件との類似性は意図的なものである」と明記されているが、現代アメリカ音楽に興味が持つものにとっては、劇中のポップ・スター、ナイジャがビヨンセをモデルにしたことは明らかだ。

また、ドラマの原題の『Swarm』とは「ミツバチの群れ」のことで、ミツバチの巣箱である「Beehive」とかけて呼ばれるビヨンセの熱心なファンの「Beyhive」からとられたものだ。劇中でも熱心なファンのグループとして「Swarm」が登場する。邦題の『キラー・ビー』もここからとられたものであろう。

 

何を描いているのか

全7話の中で描かれているのは、SNSが発展した現代の中で注目されることが多い、熱狂的・狂信的なファン、そしてより進んでしまい、そこから加害行動に出る「トキシック・ファンダム」への批判であろう。

自分たちの気に入らないことがあれば、その対象や事象について攻撃的な書き込みを行うトキシック・ファンダムは、彼らは自己の中に「正義」をあげて行動するが、その感情的な行動は時にデマや勘違いから発火する炎上騒ぎは世界中で起きている(もちろんこれは音楽だけではなく、他のカルチャーやスポーツ、政治にまで多岐にわたる)。

ドナルド・グローヴァーは『キラー・ビー』を「感情的な訴えが政治的に影響を与える時代(post-truth)の映画『ピアニスト』と『キング・オブ・コメディ』の混合」と表現している。前者『ピアニスト』はミヒャエル・ハネケ監督によるフランス映画で、主人公の女性ピアノ教師と生徒との恋語りなのだが、彼女は性的倒錯者であり、芸術とトラウマとか描かれた作品。『キング・オブ・コメディ』はマーティン・スコセッシ監督による1982年の名作で、有名コメディアンの妄信的ファンを描いたものだ。この発言に現代の過剰なるファンダムへの影響を批判していることを垣間見ることができるだろう。

共同製作のジャニーン・ネイバースはロサンゼルス・タイムスのインタビューでこう答えている。

「(制作中の)2年半の間に起こった出来事で、劇中に登場させることができるものを探すために、何ヶ月もかけてリサーチをしました。だから、フィクションではないんです。ネット上で実際にあった噂や殺人事件を、主人公ドレの物語の中に組み込んでいます。(ゼロから)捏造したものはあまりありません」

 

ビリー・アイリッシュや他著名人の出演

ドラマ初出演で注目されているビリー・アイリッシュの役どころは、ある種のカルト教団の教祖的な役回りだ。第4話でナイジャが出演するボナルー・フェスティヴァルに向かう途中に女性だけで暮らす共同体に寄るのだが、そこで女性達のリーダーとして金髪のビリー・アイリッシュが登場する。その演技はドラマ初登場とは思えないもので、主人公のドレを洗脳する怪しくも神秘的な役を演じきっている。

他にも、マイケル・ジャクソンの娘であるパリス・ジャクソンは第2話にストリッパー約で出演している。彼女は劇中で、自身が「パパが黒人とのハーフなの。だからステージネームはホールジー」と実在のシンガー・ソングライターで黒人の父親と白人の母親を持つホールジーから名前を取ったことを明かしている(それに対するドレの反応がさらに批評的だ)。

他にも、ドレの姉のマリッサは、クロエ・ベイリーが演じている。クロエはR&Bデュオ、クロイ&ハリー(Chloe x Halle)のメンバーで、妹は今年公開される実写のディズニー映画『リトル・マーメイド』に出演するハル・ベイリーだ。

クロイ&ハリーはビヨンセのレーベル、Parkwood Entertainmentに所属するビヨンセ以外の唯一のアーティストでもあり、また、SXSWにて、ビヨンセはこのショーを見たかと聞かれたジャニーンは、「もちろん」とだけ答え、ドナルド・グローヴァーは「Beyhive(ビーハイブ)のみんな、俺たちをころさないでね」 とジョークを語っていることもあり、ビヨンセがこのドラマを見ていることは確かであろう。

また、第5話の脚本をジャニーン・ネイバースと共同で手掛けたマリア・アン(Malia Ann)とクレジットされる人物は元アメリカ大統領バラク・オバマの娘マリア・アン・オバマのことだ。HBOの「GIRLS/ガールズ」でのインターンとして働き、CBSの「エクスタント」では制作アシスタントを務めた彼女は『キラー・ビー』で初めて脚本を担当することになった。「彼女は信じられないほどの作家であり、アーティストです」とジャニーンはPeople誌に語っている。

Written By uDiscover Team



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