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最高のギター・ソロ・ベスト100 : 髪の毛が逆立つ名プレイヤーたちの饗宴
“すばらしいギター・ソロ”と一口に言ってもそのスタイルはさまざまだ。何分にも亘って弾き続け、聴き手を圧倒するようなものもあれば、シンプルだが心に残るプレイで名曲をいっそう輝かせるといったものもある。この”最高のギター・ソロ・ベスト100″には、そのいずれかの要件を満たすもの、もしくは双方に当てはまるものをリストアップした。中には少し練習すれば我々にもマスターできるプレイあるし、どんなに望んでも到底再現できそうにないものもある。
黄金期の名曲からオルタナティヴ・ロック、ロカビリー、プログレなど、今回紹介するギター・プレイの多くはロックの範疇にあるもので聴けるそれだが、ロックにすばらしいフレーズをもたらした多くのブルース、ジャズ、カントリー界の名手たちの演奏もまた見逃すわけにいはいかない。
最初にルールをひとつ決めておきたい。それはギタリスト1名につき1曲に限るというもので、たとえば有名なバンドをいくつも渡り歩いているギタリストの場合には、代表曲として、その中で最もすばらしいプレイの聴けるトラックを選んでいる。どのソロも甲乙つけがたく、そのギタリストの演奏だけでは選定できないといった場合には、楽曲そのもののすばらしさや、演奏者全員のプレイのすばらしさも勘案し、1曲に絞り込むことにした。
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100位 : UFO「Rock Bottom」(ソロ : マイケル・シェンカー)
イギリスのハード・ロック・バンド、UFOの1974年のシングル曲はそのタイトルだけでも既にリスト入りしてしまいそうだが、大暴れするシェンカーのソロのおかげで、この上なくパワフルなトラックに仕上がっている。
99位 : ボンゾ・ドッグ・バンド「Canyons of Your Mind」(ソロ : ニール・イネス)
このリストに並ぶギター・ソロの大半は、ただ唖然として聴き入ることしかできないものだが、この「Canyons of Your Mind」に限っては、大声で笑いながら楽しむのが正しいマナーだ。ラウンジ・バラードのパロディといった趣のこのトラックでは「Camelot Song」を始めとするモンティ・パイソンの名曲群にソングライターとして名を記すことになるニール・イニスが“敢えて”これ以上ないほど酷いギター・ソロを披露している。これは真に優れたプレイヤーだからこそ奏でることのできる惨憺たるソロである。
98位 : スーパートランプ「Goodbye Stranger」(ソロ: ロジャー・ホジソン)
スーパートランプはギター中心のアンサンブルで聴かせるバンドではなかったが、グループのギタリスト、ロジャー・ホジソンはいくつか傑出したギター・ソロを残している。バンドメイトのリック・デイヴィスが書いた、このよく練られたポップ・ソングはその最たる例で、ワウ・ワウを効かせたギターで楽曲を強力なロック・ナンバーに変貌させる後半は圧巻だ。
97位 : ザ・ポリス「So Lonely」(ソロ : アンディ・サマーズ)
一般的に、アンディ・サマーズはザ・ポリスでのプレイでセンスの良さが高く評価されている。演奏する曲に、凝ったコードを奏でる方が似合うと判断した場合には派手なソロを敢えて避けるというのが彼のやり方だったが、必要があれば、ブルースのルーツを生かしたプレイを披露することもできた。「So Lonely」にこれほど自信に満ちた骨太なソロが似合うとは、常人は思うまい。
96位 : アート・ネヴィル「Cha-Dooky Doo」(ソロ : ジャスティン・アダムス)
1958年にファズ・ギター? そう、その通り。後にミーターズやネヴィル・ブラザーズで活躍することになった彼のこの初期のシングルでは、10年後にジェフ・ベックが誇らしげに披露するあのワイルドなプレイに匹敵する演奏を、あるセッション・ギタリストが披露している。
とはいえ、実のところ、そのギタリストのアンプの調子が悪く、重要なパートで音に歪みが生じたために、プロデューサーがアンプの音量を上げてまるごと歪んだサウンドにしてしまおうと判断した結果生まれたのがこのサウンドだった。
95位 : ヴェルヴェット・アンダーグラウンド「Sister Ray」(ソロ : ルー・リード)
伝統的なギター・ソロというより、単なる馬鹿騒ぎと呼んだ方が似合うが、歌詞の内容にはまさにその呼称が相応しい。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドはギター・ヒーローのためのバンドでは決してなかったが、東洋的なラーガ・サウンドとパンキッシュなアナーキーさをかけ合わせたソロ・プレイで、ルー・リードはおよそ7分にわたってこの曲を盛り上げている。
94位 : リンク・レイ「Rumble」(ソロ : リンク・レイ)
威嚇的なコードが延々かき鳴らされるだけで、華麗さなど微塵も感じられないこの「Rumble」は、AM局で放送禁止になった最初のインストゥルメンタル・ナンバーだ。リンク・レイのナイフにも似た鋭いギター・サウンドがストリート・ファイトを連想させるとして50年代当時の親世代が危惧し、プレイリストから外されたと言われるが、それは正しい判断だったかもしれない。
93位 : ザ・バッカルーズ「Chicken Pickin’」(ソロ : ドン・リッチ)
バック・オーウェンズのギタリストを務めたドン・リッチは、カントリー・ミュージック界で最も味のあるプレイヤーのひとりで、そのリッチが率いるザ・バッカルーズもまたインストゥルメンタル・ナンバーでヒット曲を飛ばしていた。ここでは、キャッチーなメロディを配しつつチキン・ピッカーにお馴染みのチキン・ピッキング奏法を楽しげに披露している。
92位 : ザ・ジェイムズ・ギャング「The Bomber」(ソロ :ジョー・ウォルシュ)
一聴したところ、ヘヴィなロック・ナンバーだが、聴き進むにつれジョー・ウォルシュのソロはスライド・プレイとエコーを駆使したきわめてスペーシーなトラックへと変化し、やがてワウを効かせたラヴェルの「Bolero」に移っていく。のちのイーグルでの彼はソリッドなサウンドでプレイしているが、今回の推しはこちらで決まりだ。
91位 : ザ・スミザリーンズ「A Girl Like You」(ソロ : ジム・バビャク)
パワー・ポップ・ナンバーの中で最もホットなソロをフィーチャーしたトラック。オープニングのパワー・コード、クライマックスに聴けるストリングスのベンド、すべてがただただ見事だ。シンガーのパット・ディニジオの”Go!”という掛け声もいい。
90位 : XTC「Life Begins At The Hop」(ソロ : アンディ・パートリッジ)
イギリスのニュー・ウェーブは、コンパクトながら忘れ難いギター・ソロの宝庫だった。この曲に聴けるソロ (バンドのメインのリード・ギタリストであるデイヴ・グレゴリーではなくアンディ・パートリッジが弾いている) は、ミュートを効かせたハンク・マーヴィン風のサウンドと1960年代の学生ダンス・パーティーを想起させるムードが歌詞とうまくマッチしている。特に最後のリックでミュートを解除して次のコーラスへと移るテクニックが実に効いている。
89位 : ブラック・サバス「Paranoid」(ソロ : トニー・アイオミ)
トニー・アイオミはブラック・サバスの名曲群で長尺のソロをプレイする機会を何度も得ているが、この3分間の曲の中での簡潔なソロにその魅力のすべてが集約されている。アイオミのリフで始まるこの曲はまさに抑圧と解放以外のなにものでもない。多くのパンク・ロッカーたちがブラック・サバスを敬愛するのも頷けるところだ。
88位 : アルバート・コリンズ「Iceman」(ソロ : アルバート・コリンズ)
テレキャスターの名手として知られるテキサス出身のギタリスト、アルバート・コリンズは1960年代に発表したシングルでその名を轟かせ、刺すように鋭角的なソロや”氷のような”楽曲のタイトルで知られるようになった。彼は1990年代のカムバック・アルバムで当時を振り返って見せているが、タイトル曲では初期のシングルよりも多くの時間をソロに費やして彼の腕がまったく衰えていないことがよくわかる。
87位 : チープ・トリック「Need Your Love」(ソロ : リック・ニールセン)
チープ・トリック作品の中でも最もギターを多用したトラックのひとつである「Need Your Love」は、パワー・コードを奏でるおよそ3分に亘るシンプルなソロが強烈なトラックだ。楽曲の後半では、リック・ニールセンがバンドの牽引役となって数分間のジャムとリフ主体のソロを披露している。
86位 : テン・イヤーズ・アフター「I’m Goin’ Home」(ソロ : アルヴィン・リー)
1960年代後半、ギタリストの中で速弾きといえばアルヴィン・リーが群を抜いた存在で、そのスピードは信じられないほどだった。彼はまたロックの歴史に対する知識も信じられないほど持っており、テン・イヤーズ・アフターの傑作アルバムの魅力は、基本的にはあのエルヴィスとリトル・リチャードのそれぞれの魅力を増幅してかけ合わせたものだ。リーのオープニング・ソロだけで聴き手を虜にしてしまう、そんな1曲だ。
85位 : ZZトップ「Jesus Just Left Chicago」(ソロ : ビリー・ギボンズ)
ビリー・ギボンズはギターのピックにペソ硬貨を使っているという伝説があるが、それがこの灼熱のスロー・ブルース・ナンバーに聴ける彼のソロの刺々しいトーンの理由なのかもしれない。この曲は「Waitin’ for the Bus」とのメドレーになっており、そちらでは熱のこもったスライド・ギター・ソロを披露している。
84位 : シカゴ「Poem 58」(ソロ : テリー・キャス)
多くのミュージシャンがシカゴのギタリスト、テリー・キャスを賞賛しているが、この曲を聴けば当然と思える。この曲は2部構成になっており、前半は長いインストゥルメンタルでシカゴにはめずらしくホーンもピアノもないパワフルなトリオ編成。バンジョーを思わせるストロークで曲をスタートさせるキャスが、ソロで熱いリフを次々と繰り出してくる。
83位 : ジョン・リー・フッカー & キャンド・ヒート「Messin’ With The Hook」(ソロ : ジョン・リー・フッカー)
ジョン・リー・フッカーのざらついたブルース・ギターはレコーディングのためのバンドを必ずしも必要としない。そして、バディ・ガイとジュニア・ウェルズの共作「Messin’ With The Kid」を改作したこのトラックでの彼のグルーヴは特に生々しい。キャンド・ヒートとのセッションの際にプレイしたものだが、ヒートはこのトラックには登場していない。側でメモを取っているわけだ。
82位 : ビリー・アイドル「Rebel Yell」(ソロ : ジョン・グッドサルもしくはスティーヴ・スティーヴンス)
当時ブランドXのギタリストで当時多くのセッションをこなしていたグッドサルは自分がプレイしたと断言している一方、ビリー・アイドルの盟友ギタリスト、スティーヴ・スティーヴンスはそれを否定しているために断言することはできないが、グッドサルの証言内容は信憑性が高いようだ。
ソロを1回やって完璧だと思った彼だったが、アイドルのプロデューサーにマイクの位置を変えて同じことをもう一度やるように言われたことで腹を立て、ギターの指板を殴りつけたのだとか。言うまでもないが、アイドルはその結果を気に入った。
81位 : ジョン・マーティン「Small Hours」(ソロ : ジョン・マーティン)
ジョン・マーティンはフォーク・ミュージシャンとして最もエレガントなプレイヤーのひとりとして知られていたが、その後の展開が面白かった。1977年の『One World』のフィナーレは、マーティンによるエコー渦巻くギター・ソロが夢うつつを誘う神秘的なムードの作品だ。1977年当時、こうした音楽を作る者はどこにもいなかった。
80位 : リプレイスメンツ「I Will Dare」(ソロ : ピーター・バック)
リプレイスメンツの大ファンでありサポーターあるピーター・バックがカントリー・タッチのリフやメロディでリードを取り、R.E.M.の特徴であるジャグリーなトーンと軽快なアルペジオですばらしいギター・ソロを披露している。
79位 : セイント・ヴィンセント「Surgeon」(ソロ : アニー・クラーク)
アニー・クラークのギタリストとしてのイマジネーションが存分に発揮されたトラックだ。曲の中心となるリフはトリッキーでソロではいかばかりかと想像を掻き立てるが、いざソロが始まると彼女はギターシンセに気合を入れてさらに先を狙っていく。空間を活かしたプレイと派手な速弾きのどちらかを選ぶのではなく、彼女はその両方を一度に聴かせてくれるのだ。
78位 : ポール・マッカートニー & ウイングス「My Love」(ソロ : ヘンリー・マッカロー)
元グリース・バンドのギタリストは、その音楽的な本能が告げたのかウイングスに長く在籍することはなかった、彼はポップ志向ではなかったのだ。だが在籍中に彼はこの宝石のようなソロを披露し、スウィートなバラードにおそらくポール・マッカートニーの予想を超える力強さを与えた。マッカートニーは賢明なことにそれをよしとしたのである。明らかにマッカローはブルース向きのギタリストだった。そしてこの曲の数分間、彼はブルースを弾いていた。
77位 : 10cc「Feel the Benefit」(ソロ : エリック・スチュワート)
ギター主体のロック・バンドとしてはさほど評価のなかったバンドの偉大なギタリスト、エリック・スチュワートに思いを馳せてみよう。彼らの最大のヒット曲「I’m Not in Love」ではリード・ギターはまったく聴くことはできない。それもあってか、新生10ccのデビュー・アルバム『Deceptive Bends (愛ゆえに) 』のラストでは存分に長いソロをプレイしている。曲のピークに向かって、彼は雄大なバッキング・リフを配しつつ美しいフレーズを繰り出している。
76位 : ジョアンナ・コナー「Walkin’ Blues」(ソロ : ジョアンナ・コナー)
これは数年前に紫のドレスを着た女性がスライド・ギターのソロを弾く映像が話題を呼んでセンセーションになったものだ。アーティストの名前が知られないままこのクリップは何度か世界中に広まったが、実は彼女はシカゴ地域のファンの間では長い間知られていて、数枚のアルバムをリリースしているコナーという人気者だ。彼女はこうしたソロを普段から披露しているが、このロバート・ジョンソンの曲は永遠に彼女の名刺代わりの1曲になるだろう。
75位 : クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル「Ramble Tamble」(ソロ : ジョン・フォガティ)
「Travelin’ Band」での驚きの20秒間でもわかるように、ジョン・フォガティはコンパクトなソロの名手だ。だが彼は長く弾き続ける時でも期待を裏切ることはなかった。CCRの「Cosmo’s Factory」のオープニングでは、彼は緊張感のあるディストーション・サウンドでディープ・サウスのモンスター・サウンドを聴かせてくれた。
74位 : ダイナソーJr.「Sludgefeast」(ソロ : J・マスシス)
フィードバックで始まるこの曲は、まさにそのタイトル通りのサウンドだ。オルタナティブ・ロックがシニカルになりつつあった時代に、J・マスシスは一心不乱にギターをかき鳴らすヒーローのすばらしさを思い出させてくれた。
73位 : マウンテン「To My Friend」(ソロ : レスリー・ウェスト)
レスリー・ウェストと言えば、大迫力のギター・サウンドで迫る大男を思い浮かべるだろう。しかしこのアコースティック・ギター・ソロでの彼はニュアンスと繊細さに溢れていて、構成もギリシャや東洋の風味を感じさせながら曲のクライマックスまでしっかりと練られている (2回ある) 。70年代のハード・ロック・バンドのアルバムには必ずアコースティック・ギター・ソロがある曲が必要だったが、中でもこの曲は出色だった。
72位 : ジョージ・ベンソン「Take Five」(ソロ : ジョージ・ベンソン)
アルバム『Breezin’』でスターになる前のジョージ・ベンソンは、創造性で一歩先を行くギタリストのひとりとして名声を得ていた。アルバムのヒットの2年前、彼はデイヴ・ブルーベックの名刺代わりの1曲を大胆にファンク・タッチで解釈してみせた。
71位 : フリートウッド・マック「Rattlesnake Shake」(ソロ : ピーター・グリーン)
ピーター・グリーン (ダニー・カーワンとジェレミー・スペンサーも忘れるわけにはいかないが) のおかげで、『Then Play On』はブルース・ロックの偉大なギター・アルバムのひとつに数えられている。グリーンの名演はいくつもあるが、この曲のエンディングでの彼のコード主体のラフなソロが特に良い。この曲の主題にぴったりのフラストレーションが感じられる。
70位 : ハスカー・ドゥ「Reoccurring Dreams」(ソロ : ボブ・モールド)
ハスカー・ドゥには、明確な主張をしつつ矢継ぎ早に進むのを身上としているイメージがあるだけに、この14分間のインストゥルメンタルは例外的な作品だ。空前絶後と言ってもいいほどの激しいギター・インストゥルメンタルで、モールドのギターは焼け付くようなヘヴィーな音を重ねて潜在意識までかき乱すようなサウンドだ。エンディングは1分間にも及ぶフィードバックで締めくくられる。
69位 : ザ・バタフィールド・ブルース・バンド「East-West」(ソロ : マイク・ブルームフィールド)
マイク・ブルームフィールドはこの13分に及ぶトラックで、多くのプレイヤーが全キャリアをかけても経験できないような先見性のあるギターを披露している。ソロは大きく2つに分かれており、最初のパートでは東洋のラーガと西海岸のサイケデリアとの邂逅、次のパートではより落ち着いた、時折サーフ・ミュージックの影響も感じられるサウンドが聴ける。
68位 : ボニー・レイット「Thing Called Love」(ソロ : ボニー・レイット)
ボニー・レイットはポップ界で成功を収める以前、ロック界で個性的で特徴あるスライド・ギター・サウンドをものにしていた。そしてアップビートなポップ・ソングにブルースのリックを活かす方法が身についていた。ここで聴ける彼女のソロは存在感のあるコンパクトなものだが、ジョン・ハイアットのオリジナル・ヴァージョンでのライ・クーダー (彼もまたギターの達人だ) のプレイを食っている。
67位 : エイドリアン・ブリュー「Big Electric Cat」(ソロ : エイドリアン・ブリュー)
全盛期のエイドリアン・ブリューは、大胆な創造性と痛快な楽しさを同時に提供してくれた。このソロ・トラックがまさにそれで、彼の多彩なサウンドを聴くことができる。”ビッグ・エレクトリック・キャット”がどんな声で鳴くのか、気になっていた人はこれで一安心だ。また、2回登場するソロ・パートでも、彼が普段あまり使わないファズ・ボックスを使ってクリエイティブなサウンドを聴かせてくれる。
66位 : ジェファーソン・エアプレイン「Somebody to Love」(ソロ : ヨーマ・コウコネン)
ヨーマ・コウコネンは、この曲では基本的にグレイス・スリックのヴォーカルの合間を縫うようにして終始ソロを披露している。ラストの30秒間、3つの音のロング・トーンで始まるギター・ソロは完璧なサイケデリアで、その締め括りとなるコードはまるでこの曲が永遠に終わらないかのような余韻を残す。
65位 : ソニック・ユース「The Diamond Sea」(ソロ : サーストン・ムーア)
いつまでも続くこのミステリアスな曲は、静けさが混沌に変わっていく過程の教科書のようななものだ。ソニック・ユースの作品の中でも一二を争う美しい曲として始まり、心を揺さぶるようなメロディックなムーアの最初のソロへと続く。それが5分を過ぎたあたりからメロディは消え、怒りが横溢し、彼のギターとキム・ゴードンのベースは黙示録的なモードになる。そして次のヴァースですべてが仕切り直されて再開するが、今度はほぼ静寂の状態からフィードバックの嵐へと発展していく。
64位 : デヴィッド・ボウイ「The Width of a Circle」(ソロ : ミック・ロンソン)
前半のサイケデリックで東洋的な味わい、中盤の意気揚々とした英国的サウンド、そして最後のヤードバーズを思わせる泣きのブルースまで、ミック・ロンソンのすばらしさのすべてを印象付ける8分間の作品だ。ロックの神様としてのデヴィッド・ボウイの再生はここから始まった。
63位 : ボ・ディドリー「Who Do You Love」(ソロ : ボ・ディドリー)
ボ・ディドリーは、あのトレードマークのビートが余りにも強烈過ぎてリード・ギタリストとしての彼の腕の冴えは見過ごされてしまいがちだが、それを解消するのにうってつけなのがこの「Who Do You Love」だ。この荒く生々しいギター・ソロはブルース・ロックが可能性を見つけた瞬間のひとつだ。
62位 : ブライアン・セッツァー・オーケストラ「Jump, Jive An’ Wail」(ソロ : ブライアン・セッツァー)
ブライアン・セッツァーのギター・ソロには、もっと長尺の演奏もあるが、この曲で聴けるクイックなソロにはその魅力のすべてが詰まっている。ルイ・プリマのクラシック然としたスイング・ヴァージョンにワイルドなロカビリーのリックを加え、ストレイ・キャッツ時代に彼がよく繰り出していたストリングス・ベンドも披露している。クールなキャットである以前に、セッツァーが生粋のミュージシャンであるということがよくわかる。
61位 : セックス・ピストルズ「EMI」(ソロ : スティーヴ・ジョーンズ)
当の本人がひけらかすタイプでなかったということもあったが、セックス・ピストルズの秘密兵器は、スティーヴ・ジョーンズという十二分な技量を備えたリード・ギタリストがいたということだった。彼の真骨頂は、曲の攻撃性を増幅させるコード弾きのソロで、「Anarchy in the UK」の2回目のギター・ソロはその最たる例だろう。同じ技を用いてさらに効果的な仕事をしているのが「EMI」だ。
60位 : ジェスロ・タル「Aqualung」(ソロ : マーティン・バー)
マーティン・バーは、ジェスロ・タルの楽曲をよりドラマチックにするために常にソロの機会を得ていた。この曲では、彼とイアン・アンダーソンがヴァースの和音をハーフタイムで演奏し、その後スピードを上げて演奏するという構成が組まれているが、これが功を奏した。バーがこの曲をレコーディングしているのをジミー・ペイジが目撃していたというのは有名な逸話だ。
59位 : ザ・スミス「How Soon is Now」(ソロ : ジョニー・マー)
この曲で聴いて欲しいギターは、絶望的な響きの一発のコードだけだ。それはパターン化されたソロ部分の一部となり、トレモロ・ギターのレイヤーと逆回転エコーと相まってムードを盛り上げる。ジョニー・マーのソロの多くがそうであるように、この曲でもモリッシーの感情を増幅させるというのがその役割である。
58位 : サンタナ「Europa」(ソロ : カルロス・サンタナ)
「Europa」はサンタナが最初から最後までスポットライトを浴びる数少ない曲のひとつで、スピリチュアルなテーマを持ったインストゥルメンタル・ナンバーだ。ゆっくりと優雅に始まり、2回目のコーラス辺りまではレスリー・スピーカーを通してプレイしている。長く続くサスティン、激しいワウワウなど、曲が終わるまでにサンタナのトレードマークと言えるサウンドをよりどり味わえるが、スピリチュアルなムードは全編に横溢している。
57位 : オールマン・ブラザーズ・バンド「One Way Out」(ソロ : デュアン・オールマン、ディッキー・ベッツ)
オールマン・ブラザーズは、2人のギタリストがいたと言うよりも1人のギタリストが2つの身体を持っていたと言った方が良いかもしれない。この曲のギター・ソロの冒頭で互いのフレーズの応酬が見事にシンクロしているわけだが、やはり最大の聴きどころはデュアンのスライドだろう。より長さのあるソロは他にも多数ある彼らだが、このソロの数分間はすべてを物語っている。
56位 : ブッカー・T. & MG’S「Melting Pot」(ソロ : スティーヴ・クロッパー)
数え切れないほどのスタックスの名曲でソロを披露したスティーヴ・クロッパーは、シンプルなギター・ソロの並ぶ者のない名手だ。この長めのトラックでも、彼の持ち味の魅力はそのままで、そのフレーズはどれも抑制が効いていて味わい深い。ソロを終えた後はシンコペーションの効いたコード・カッティングに戻り、ブッカー・T・ジョーンズの長めのプレイの後ろでノリのいいアクセントを添えている。
55位 : クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ「Little Sister」(ソロ : ジョシュア・ホーミ)
ジョシュ・ホーミは、ストーナー・メタルのゴッドとパワーポップのオタクという、相容れないキャラクターを併せ持った稀有なミュージシャンだ。ここで紹介する曲は2000年代後半の最もキャッチーな曲のひとつで、彼のポップな面がよく出ている。繰り返し現れるキャッチーな三連符リフにシタールのようなソロが加わり、不思議とマッチした魅力を生み出している。
54位 : ジェフ・ベック「Rice Pudding」(ソロ : ジェフ・ベック)
当時の最も強烈なハード・ロックの最有力候補のこのジェフ・ベックの傑作は、冒頭、中盤、終盤に現れるモンスター・リフを中心に展開している。スライドの雄叫び、フィードバックの嵐など、その間に演奏されるすべては上品さや華麗さとは無関係にひたすら緊張感を高める役割だ。そのテンションはクライマックスを迎えるエンディングに向かって増幅していくわけだが……そこでテープは終了となる。
53位 : ラッシュ「Red Barchetta」(ソロ : アレックス・ライフソン)
ラッシュは、リード・ギタリストが他の2人のプレイヤーの影に隠れてしまうことが多かった唯一のパワー・トリオかもしれない。だが、ライフソンが彼もやはりMVPであるということを示す多くの理由のひとつがこの曲で、スリリングな自由奔放さを増していく彼のリフが曲全体を牽引している。中間部での流麗なリードでも彼が期待を裏切ることはない。
52位 : ダイアー・ストレイツ「Sultans Of Swing」(ソロ : マーク・ノップラー)
1978年、特にパンクが全盛期にあったイギリスでは、ギター・ヒーローなどというものはまったくお呼びでなくなっていた。しかしそれでも、マーク・ノップフラーはディープ・サウスからやって来たかのような (もちろん彼の場合、同じ南部でもロンドンの南部だ) ギター・サウンドを武器に、しっかりとその存在を知らしめてみせた。この曲のノップラーのプレイは間を活かした味わい深いものだが、最後のギター・ソロですべてを解き放つ。
51位 : ミートローフ「Bat Out of Hell」(ソロ : トッド・ラングレン)
曲の中でバイクの音を使いたいが、スタジオではバイクを走らせるわけにもいかない。さてどうする? プロデュースとギターの達人に、エフェクトをかけたギターでそれらしいサウンドを出してもらうしかない。そしてそのギタリストは、そのサウンドを合図に超がつく速弾きを披露するわけだ。ホルモン全開のティーンエイジャーを扱ったこの曲にはうってつけだ。
50位 : スリーター・キニー「Let’s Call It Love」(ソロ : キャリー・ブラウンスタイン)
インディ・ロック勢の中でも特に独創的なサウンドを展開してきたスリーター・キニーが、『The Woods』でクラシック・ロックに接近した際はとてもスリリングだった。サイケデリア、アバンギャルド、そして古き良きパンクの攻撃性も取り入れながら、ブラウンスタインのソロがフルスロットルで”ツェッペリン”になりきっている。
49位 : プロコル・ハルム「Whiskey Train」(ソロ : ロビン・トロワー)
プロコル・ハルムのギタリストはジミ・ヘンドリックスの信奉者だと思われがちだが、この曲にジミの影は微塵も感じられず、代わってトロワー自身が持つブルース・ロックの力強さが感じられる。全編を通してバンドは熱のこもったパフォーマンスを繰り広げているし、何しろリフが実にすばらしい。
48位 : ザ・ビートルズ「Taxman」(ソロ : ポール・マッカートニー)
ビートルズがいかに民主的であったかを示す確かな証拠がここにある。ジョージ・ハリスンの名曲のひとつのこの作品で彼はソロをポールに託しているが、ポールは曲のムードにぴったりのエネルギッシュなディストーションで炸裂してみせた。「Taxman」のギター・ソロはビートルズ作品の中でもとりわけ象徴的な演奏のひとつである。
47位 : ジェネシス「Dancing With the Moonlit Knight」(ソロ : スティーヴ・ハケット)
実に紳士的な元ジェネシスのギタリスト、彼がタッピング奏法を発明したと言っても過言ではなく、1973年当時にそれは間違いなく新しいものだった。ピーター・ガブリエルのアカペラのイントロから、フル・オーケストラの伴奏、そして静かなクロージングまで、フルレンジのダイナミクスだ。そしてスティーヴ・ハケットの規格外のソロが楽曲のピークを攫うのだ。
46位 : ニール・ヤング & クレイジー・ホース「Down By the River」(ソロ : ニール・ヤング)
ニール・ヤングによる最高のギター・ソロだが、ひとつひとつの音がどうというよりも彼がどう音を上手く重ねてバンドとのグルーヴを維持できるか、特にそれがクレイジー・ホースとの場合はどうなるのかということが重要だ。この曲ではそれが十分に発揮されているのだが、実はひとつひとつの音という意味でも強力な部分がある。ほぼ無の状態から始まった後に脅迫的なほど執拗に何度も繰り返される音の重なりが、やがて巨大なリフへと変貌を遂げていくのである。
45位 : ロリー・ギャラガー「Shadow Play」(ソロ : ロリー・ギャラガー)
アイルランド出身の血気盛んな彼による最高に情熱溢れるギター・ソロは、テンポの速い作品で聴けることが多い。この曲 (アルバム『Stage Struck』に収録のヴァージョンが最も知られている) では、リズム・セクションが疾走する中でロリー・ギャラガーがスライド・ギターを弾いている。まるでパンク・バンドのジャムにデルタからブルースマンを連れてきたかのようだ。
44位 : ビリー・コブハム「Quadrant 4」(ソロ : トミー・ボーリン)
トミー・ボーリンはすばらしいがムラっ気のあるギタリストで、その癖に邪魔されることもあったのだが、この曲は違う。ドラマーであるビリー・コブハムのソロ・デビュー作の最初のソロでは、ヤン・ハマーのキーボード・リフを足がかりにして爆走する。彼のお気に入りのエフェクトは彼がソロのクライマックスでよく使うエコープレックスで、この曲でも宇宙空間に飛び出したような感覚を与えてくれる。
43位 : ディープ・パープル「Smoke on the Water」(ソロ : リッチー・ブラックモア)
リッチー・ブラックモアのギター・ソロの特長はそのスピードと攻撃性にあるが、この曲で聴けるソロは彼がセッション・プレイヤーだった時代を彷彿とさせる。ディープ・パープルはヒット曲が自らの手中にあることをわかっていた。だからなのか、ブラックモアのプレイは端正でメロディックなものだ。少なくとも、自分のパートを終わらせるようバンドに命令するソロのラストでハンマリング・オンの連打を繰り出すまでは。
42位 : グレン・キャンベル「MacArthur Park」(ソロ : グレン・キャンベル)
レッキング・クルーのメンバーではあったが、グレン・キャンベルは元来派手好きなプレイヤーではなかった。彼がこのジミー・ウェブの名曲をスタジオで最初にカットした時はインストゥルメンタル・ブレイクさえ入れなかった。しかし、ライヴ・ヴァージョンではそれを補って余りあるほど大胆なソロを披露している。
41位 : ブライアン・イーノ「Baby’s on Fire」(ソロ : ロバート・フリップ)
キング・クリムゾンやその他の作品でのロバート・フリップのギター・ソロにはすばらしいものが数多くあるが、ブライアン・イーノとのこの暴力的なプレイにはどれも及ばないかもしれない。演奏の激しさとは裏腹の、突然訪れる静寂がそのインパクトに大きく影響しているのだ。単なる思いつきだったかもしれないシュールなイーノの歌詞を、何やら本気で怖いものにしてしまうプレイだ。
40位 : クリフ・リチャード & ザ・ドリフターズ「Move It」(ソロ : ハンク・マーヴィン)
「Move It」によってクリフ・リチャードは英国初のロックン・ロール・スターになったが、このレコードの本当の主役はギタリストのハンク・マーヴィンと彼のストラトキャスターである。彼のクールなロカビリー・スタイルのリックがリチャードのヴォーカルの逐一に応えていて、彼のギター・ソロは実にスタイリッシュだ。英国のギター・ヒーローの時代を拓いたレコードがあるとすれば、まさにこの曲がそれだ。
39位 : スティーリー・ダン「Reelin’ in the Years」(ソロ : エリオット・ランドール)
この曲は、ギター・ソロのおかげでヒット・シングルになった最初の例かもしれない。ニューヨークの大物ギタリスト、エリオット・ランドールによるソロは間違いなく曲中で最もキャッチーなパートで、実にノリがいい (リックを挟むたびに必ず変化を加えている点に注目してほしい) 。このソロを上手く弾けないガレージ・バンドのギタリストは落ち込む必要はない。なにしろ、スティーリー・ダンのレギュラー陣ギタリストも弾けなかったという事実があるのだから。
38位 : ザ・ホワイト・ストライプス「Ball and Biscuit」(ソロ : ジャック・ホワイト)
総尺7分に及ぶこの曲で、ジャック・ホワイトはソロを3度披露しているが、回を重ねる毎に激しさが増していく。地獄のような様相を見せる3度目のソロでは、前代未聴にも思えるほど凶暴なチョーキングが圧巻だ。始まった時点で既にファズが効いていて激しさのレベルはさらに上がっている。ソロの終盤での咆哮は、慈悲を求めるギターの叫びに違いあるまい。
37位 : ロイ・ブキャナン「Roy’s Bluz」(ソロ : ロイ・ブキャナン)
ロイ・ブキャナンほど過小評価されているブルース・ロック・ギタリストはめったにいない。なにしろ、指さばきにしても創造性にしても、その実力は計り知れない。このブルースの名曲 (1975年の『Livestock』に収録されているのが決定版だ) は、誰が主導権を握っているのかがすぐにわかる速弾きで始まるが、その後はフレットボード上で捻じり回し捩り上げ、別世界の音を奏で始めるのだ。
36位 : スティーヴィー・レイ・ヴォーン & ダブル・トラブル「Life Without You」(ソロ : スティーヴィー・レイ・ヴォーン)
スティーヴィー・レイ・ヴォーンのカタログにはそびえ立つ山ほどのソロがあるが、この曲のソロは特に美しく、じっくりと時間をかけながらも情熱が溢れ出てくる名演だ。スタジオ・ヴァージョンのフェイドアウト直前で聴こえるハイトーンにも是非耳を傾けてほしい。
35位 : ザ・キンクス「You Really Got Me」(ソロ : デイヴ・デイヴィス)
兄弟のライバル関係に拍手。このギター・ソロは、レイ・デイヴィスがスタジオで弟のデイヴを追い詰め過ぎたために生まれたもので、デイヴはブリティッシュ・インヴェージョンのヒット曲では未曾有の野蛮なソロでそれに応えたと両兄弟は語っている。ジミー・ペイジがこのソロを演奏したという噂は事実ではない、このソロを弾くには彼は紳士過ぎる。
34位 : マディ・ウォーターズ「I Can’t Be Satisfied」(ソロ : マディ・ウォーターズ)
マディ・ウォーターズは、エレクトリック・サウンドを採り入れて以降、複数のギタリストに演奏を依頼しているが、この初期のシングルでは彼自身がその栄誉を手にしている。ここでのメインのスライド・ギターのリックは影響力絶大で、キース・リチャーズはそれを何度も借用したことを喜んで認めている。
ところで、マディがソロでアコースティック・ギターをいかに強く弾いているかに気がつくだろうか。彼が他のギタリストを招いていたのは、自分が頻繁に弦を切ってしまうことが理由だったのかもしれない。
33位 : フランク・ザッパ「Watermelon in Easter Hay」(ソロ : フランク・ザッパ)
フランク・ザッパがキャラクターに似合わず優しくエレガントな演奏をすることはどれほどあっただろうか。その機会は意外と多かったのだが、しかしこの曲での美しさに匹敵するプレイはなかっただろう。美しい曲調、優雅なインプロヴィゼーション、煌びやかな音色のすべてが、アルバム『Joe’s Garage』の文脈とはまったく関係なく生まれたかのようだ。とは言え、物語の主人公はギター・ソロを想像することで全体主義社会から脱出するのだから、何となくわかるような気もする。
32位 : グレイトフル・デッド「Help On The Way/Slipknot!」(ソロ : ジェリー・ガルシア)
自分たちの作品で最もキャッチーな2曲を堂々収める組曲の真ん中に最も実験的なギター曲を配置するのは、いかにもグレイトフル・デッドらしい。単体でもクラシックと呼ぶに相応しい「Help On the Way」は、途中でガルシアが予期せぬ転調によってムードを変えていく。それによって自由に流れるようなソロが展開していくわけだが、この曲はデッドの語り草となっている即興演奏がスタジオで完全に再現されている数少ない例のひとつでもある。そしてそこから間も無くして「Franklin’s Tower」へ突入していく。
31位 : ハウリン・ウルフ「Wang Dang Doodle」(ソロ : ヒューバート・サムリン)
ヒューバート・サムリンは間違いなく1970年代のブルース・ロッカーが最も尊敬するブルース・ギタリストで、その理由のひとつとしてこの曲もある。タフなシカゴ・ブルースで、サムリンはナイフをちらつかせるアウトローを歌った曲で聴けそうなソロを弾いている。ソロでは高音弦と低音弦を交互に弾いてコール・アンド・レスポンスしたり、またハウリン・ウルフの”All night long!”というフレーズに呼応したりしている。
30位 : アルバート・リー「Country Boy」(ソロ : アルバート・リー)
マーク・ノップフラーやエリック・クラプトンに影響を与えたアルバート・リーは、この曲を50年以上に亘ってソロ・キャリアの踏み台としてプレイしている (クラプトンは一時期彼を自分のバンド・メンバーにしていた) 。
彼のヘッズ・ハンズ & フィート名義でのファースト・アルバムに収録されているまばゆいばかりのヴァージョン (彼がアコースティックでリードしている) や、最近では一連の『Crossroads Festival』のアルバムに収録されているエレクトリック・ヴァージョンもある。
29位 : ディック・デイル & デルトーンズ「Miserlou」(ソロ : ディック・デイル)
音楽史におけるすばらしいアイロニーのひとつは、サーフ・ギターが東海岸北部のマサチューセッツ州で育った少年 (その後ロサンゼルスに移住) によって発明されたことと、レバノン人の血筋からインスピレーションを受けた部分があることだ。
「Miserlou」は元々フォーク・ソングだった。ディック・デイルがリバーブを効かせたフェンダーにて最大ボリュームで演奏しようと考えた時、あの波乗りサウンドは生まれたのだ。
28位 : アイズレー・ブラザーズ「That Lady」(ソロ : アーニー・アイズレー)
アイズレー・ブラザーズはギターをわかっていた。1964年には若いジミ・ヘンドリックスを一時期雇っていたこともあった。1970年代になると弟のアーニー・アイズレーがギターを担当するようになり、彼自身もギタリストとして華々しい活躍をした。
この6分間のトラックの半分以上をカヴァーする彼の強烈なソロは、いかにもギター・シンセサイザーらしい非常にスペーシーなサウンドが特徴的だが、実はギターシンセは当時まだ開発されていない。彼はどうやってこのサウンドを思いついたのか、見当もつかない。
27位 : ピンク・フロイド「Shine On You Crazy Diamond」(ソロ : デヴィッド・ギルモア)
純粋なギター・ソロが5分間もある曲で始まる名盤アルバムがどれだけあるだろうか。デヴィッド・ギルモアによるこの長いイントロは、ピンク・フロイドの作品中最も美しい瞬間と言えるかもしれない。リック・ライトの絶妙なサスティンが効いたシンセの和音が見事にフレームを形作っている。そして言うまでもないが、この曲の最後のエコーが響く4つの音はその後に始まる忘れられないひとときを約束するのだ。
26位 : リッキー・ネルソン「Hello Mary Lou」(ソロ : ジェームズ・バートン)
この耳に突き刺すようなスワンプ色濃いトーンは、ジェームズ・バートンのトレードマークとなり、それ以降何十年にも亘って彼のトレードマークになった。後にプレスリーとコステロ両方のエルヴィスとそれぞれ共演した際にもこの音色を使っていたが、彼のソロと言えばやはりこの曲が筆頭格だ。リチャード・トンプソンとマーク・ノップフラーもこの曲の熱烈なファンだ。
25位 : ザ・ローリング・ストーンズ「Sympathy for the Devil」(ソロ : キース・リチャーズ)
史上最高のリズム・プレイヤーのひとりであるキース・リチャーズは、目立ったソロに関してはストーンズのもうひとりのギタリストに任せることが多かったが、これは例外だ。
この曲では、フレーズの連なるソロではなく、激しく鋭い短めのフレーズを散発的に投げ込むようなソロを展開している。レコーディング当日に彼とミックはきっといい意味で揉めていたのではないか、と推測してしまう。
24位 : ケニー・バレル & ジョン・コルトレーン「Freight Trane」(ソロ : ケニー・バレル)
ケニー・バレルに弾けないものは何ひとつないと言っていい。ビリー・ホリデイ、トニー・ベネット、ジェームス・ブラウンなど、彼のピーク期の曲を同じように演奏できる他のギタリストはほぼいないだろう。
しかし何と言っても、バップこそ彼が最もしっくりする音楽だった。彼の自由に流れるようなソロは心地良く、次に訪れるジョン・コルトレーンとのやりとりはまさに楽しいの一言だ。
23位 : ザ・バーズ「Eight Miles High」(ソロ : ロジャー・マッギン)
12弦エレクトリック・ギターの可能性を完全に変えてみせ、インドの民族楽器を取り入れたロック・ミュージックである”ラーガ・ロック”というサブジャンルを生み出したのがバーズの絶頂期に発売された「Eight Miles High」だ。
ロジャー・マッギンによるオープニングのソロは一節のフレーズで始まった直後に奔放なプレイに移り、その後はひたすらボルテージを上げていく。そして、このソロに関してデヴィッド・クロスビーの名を挙げないわけにはいかない。マッギンにインド音楽の巨匠ラヴィ・シャンカールの音楽を紹介したのが彼で、そしてこの曲の最初に連続する1音でマッギンを呼び込むのも彼のギターなのだ。
22位 : パット・メセニー・グループ「Are You Going With Me?」(ソロ : パット・メセニー)
パット・メセニーはギター・シンセを好んだ最初の著名ギタリストのひとりだが、それはギター・シンセの澄んだサウンドが、と言うよりも表現力の可能性の高さに惹かれたからだった。ここで採用した作品は、オリジナルは軽快なサンバの、彼の作品中でも一二を争う人気曲の『Travels』に収められたライヴ・ヴァージョンで、開放感のある心地良い演奏だ。長めにとられたソロでRoland製のシンセを使い、懇願し咽び泣くようなプレイで楽曲の持つ情感を増幅している。
21位 : チェット・アトキンス「Country Gentleman」(ソロ : チェット・アトキンス)
タイトルからもわかるだろうが、チェット・アトキンスのエッセンスが凝縮された50年代初期の作品だ。ハワイアンな雰囲気すら感じさせるチョーキングを始め、そのテクニックは申し分なしだ。エレガントなトーンは彼自身が調整したディアンジェリコ・エクセルによるもの。
しかし全体的にはカジュアルで親しみやすく、口笛でも吹きたいような曲に仕上がっている。コメディで知られるホーマー & ジェスロのチームがバックアップとマンドリン・ソロを担当している点も面白い。
20位 : メタリカ「One」(ソロ : カーク・ハメット)
メタリカの「One」はかなり荒々しい曲であり、重傷を負って聴覚も視覚も声帯も失った兵士がテーマになっている重々しいものだ。それなのになぜギター・ソロはこれほど楽し気なのだろうか。カーク・ハメットは、最初のソロではフレット上の隅々まで指を動かし、次にはラーズ・ウルリッヒのマシンガンばりのドラミングにパワー・コードを乗せていく。ラストは彼とジェームス・ヘットフィールドのオールドスクールなツイン・ギターでいきなりクラシック・ロックの作法となるのだ。
19位 : クイーン「Bohemian Rhapsody」(ソロ : ブライアン・メイ)
確かに「Bohemian Rhapsody」で最初に思い出すのはオペラ・セクションだが、それはブライアン・メイのギター・ソロが見事に誘導しているからだ。まず、ソロの冒頭ではメイのギターとフレディ・マーキュリーの声がシンクロしていて、マーキュリーが「I sometimes wish I’d never been born at all」と歌い、ブライアン・メイの最初のフレーズがその言葉を終わらせる。そして速弾きのソロを何度か叩き込んで緊張感を煽り、最後は3音を使うフレーズで先に続くオペラの舞台を設定するという具合だ。
18位 : リチャード・トンプソン「Calvary Cross」(ソロ : リチャード・トンプソン)
このエクステンデッド・ヴァージョンは、エレガントな音色、優雅な流れ、限りない情熱、そして想像力といったリチャード・トンプソンのギタリストとしての才能を示す多くの作品の中で最初に記録されたものになる。曲のスピリチュアルな雰囲気を台無しにするのではと心配になる激しさもあるのだが、周回を重ねる毎に逆に雰囲気を高めていっていることに注目してほしい。
17位 : クリーム「Sunshine of Your Love」(ソロ : エリック・クラプトン)
エリック・クラプトンは、最高にエキサイトしているときですら速弾きに走ることは決してなかった。彼がブルースに根ざしているというその意味は、彼にとっての最高のソロはメロディックであり、エレガントですらあるということなのだ。この曲でのクラプトンのソロは「Blue Moon」の引用という彼にしてはめずらしい始まり方で、その後はマイナー・キーでのフレーズでテンションを高めつつ最後のクライマックスまで昇りつめていく。
16位 : エルヴィス・プレスリー「Hound Dog」(ソロ : スコティ・ムーア)
仮にエルヴィスの作品が見事なギターのための単なる御膳立てになってしまうことがあるとしたら、この曲こそがそれだ。スコティ・ムーアの最初のソロは控えめでありクールで、ロカビリーのムードが満載だ。しかしエルヴィスの勢いは次のコーラスでも全開ということで、2回目のソロではそのエグさを発揮して、「よく聴けよ」とでも言わんばかりのアグレッシブなコードでスタートしている。
15位 : ザ・フー「Anyway, Anyhow, Anywhere」(ソロ : ピート・タウンゼント)
ピート・タウンゼントのギター・ソロは一切の遠慮なし、フィードバック、空襲サイレン、十八番のギター破壊などあらゆる種類の最高のノイズを短いスペースに詰め込んでくる。この曲はモッズ讃歌がテーマになっており、彼はそれに完璧に似合うギター・ブレイクを披露している。
14位 : レッド・ツェッペリン「Heartbreaker」(ソロ : ジミー・ペイジ)
火傷しそうに熱いプレイをするのに、ジミー・ペイジはツェッペリンの作品中最高に耳に残るリフを持つ曲を選んだ。曲が最初のピークを迎えるとペイジが指揮権を握ってバンドが一歩退き、彼はがむしゃらにソロを弾き始める。その後はバンドが再び彼に加わり、それまで以上にスリリングな展開を見せてくれる。
13位 : レス·ポール & メリー·フォード「The World Is Waiting for the Sunrise」(ソロ : レス·ポール)
レス・ポールは、サウンドとレコーディングの両面での革新的な功績で知られているが、演奏そのものだけでも十分に眩しい存在だった。この曲では、出だしから1951年当時のポップス系のレコードに相応しいフライング・フィンガーを聴かせてくれる。ギターソロは天上を駆け巡り、メアリーの束の間のヴォーカルが天使のようなタッチを添えている。
12位 : ジョージ・ハリスン、ジェフ・リン、トム・ペティ、プリンス「While My Guitar Gently Weeps」(ソロ : プリンス)
このロックの殿堂でのパフォーマンスは、プリンスのキャリアの中で最も輝かしい瞬間のひとつであり、彼の死後に誰もが思い起こしたものの一つだ。この日はジョージ・ハリスンの殿堂入りを記念して、ジョージ・ハリスンの息子と親しい友人数人がステージに登場した。
プリンスは、クラプトンのオリジナルのソロを引用しながらも3倍ほどの激しい速弾きを織り交ぜ、見事なソロでショーを自らの独擅場にしてしまった。言うまでもないが、そのときの彼は最高に輝いていた。
11位 : ガンズ・アンド・ローゼズ「Sweet Child O’Mine」(ソロ : スラッシュ)
ガンズ・アンド・ローゼズが90年代ハード・ロック界の王者になろうとしていたころ、彼らは彼らなりのロック・ヒストリーを披露してくれた。スラッシュによる、響き渡るギターのイントロはジョージ・ハリスンやジェフ・ベックなどが持っていた東洋的な雰囲気を感じさせ、ソロの前半部はあわやジェフ・ベックの「Cause We’ve Ended as Lovers」かと思いそうなほどだ。とは言え、ワウを効かせて迫りまくる後半部は間違いなく彼ならではのものだ。
10位 : テレヴィジョン「Marquee Moon」(ソロ : トム・ヴァーレイン)
クラブハウスCBGBの耳の肥えたオーディエンスを相手に長尺のギター・ソロはさぞや大変だったに違いないが、トム・ヴァーレインは定期的なペースでそれができていた。この曲は、メインリフの煌びやかさが今回のリスト入りの大きな理由なのだが、メインのギター・ソロがこれまた凄いのだ。ヴァーレインのシタールめいたサウンドはあえて速弾きを拒むが、どのフレーズをとっても聴き逃せないすばらしさだ。
9位 : ベニー・グッドマン & ヒズ・オーケストラ「Solo Flight」(ソロ : チャーリー・クリスチャン)
チャーリー・クリスチャンがエレクトリック・ギターを手に入れた1935年当時、電気を使うギターはまだ新しい楽器であり、一緒に演奏したグループの音を飲み込んでしまうことで彼はよく知られていた。このグッドマンの曲ではホーンのような音色でプレイしている。一方、グッドマンの方はそれに応えてクラリネットのソロでギターに取って代わるのだ。
8位 : シスター・ロゼッタ・サープ「Up Above My Head」(ソロ : シスター・ロゼッタ・サープ)
シスター・ロゼッタ・サープはエレキ・ギターの母と呼ばれている女性だ。YouTubeにはその一番の証拠となる1963年の演奏の様子が上がっている。この賛美歌の中で、彼女は聖歌隊の手拍子に合わせて正真正銘の速弾きをしてみせている。マディ的な部分もありチャック・ベリー的な要素もありのプレイに観衆は大喝采、そして彼女は「もう一回いくわよ!」と煽り立てる。
7位 : ザ・ビートルズ「Something」(ソロ : ジョージ・ハリスン)
ジョージによる一世一代の大傑作のギター・ソロは、古今東西で最も官能的なソロのひとつと呼べるすばらしさだ。セクシーなスライドや滑らかな音の連なりが、彼の最高にロマンティックな曲にセクシャルな要素を加えている。当然だが、パティ・ボイドがお相手とあればこうしたプレイが生まれる機会が一度で済んだはずもないだろう。
6位 : マイケル・ジャクソン「Beat It」(ソロ : エディ・ヴァン・ヘイレン)
ヴァン・ヘイレンの代表曲として「Eruption」を挙げることもできるが、この曲の影響力にはまだ及ばない。ロックとR&Bが完璧にひとつになったこの曲で、エディはあのハーモニックスやライトハンド奏法のハンマリングを惜しみなく披露してくれた。
マイケル・ジャクソンのヴォーカルとの入れ替わった後に聴こえる最後の下降音に至るまでのすべてが完璧であり、一度聴くとまたすぐに聴きたくなる実にタイトなソロだ。
5位 : ファンカデリック「Maggot Brain」(ソロ : エディ・ヘイゼル)
ジミ・ヘンドリックスからの影響を認めるギタリストをすべて挙げるとすれば、Pファンクのリード・ギタリストで、ファズやワウを積極的に使用したエディ・ヘイゼルほど早く、あるいは上手く採り入れたギタリストはいなかっただろう。
しかしこの曲はヘンドリックスのどの楽曲と比べてもダークで、ベトナム戦争の不安やLSDの後遺症が色濃く反映されている。ジョージ・クリントンの自由連想的な歌詞とヘイゼルのギターの両方の見せ場となったこの曲はレコードでは10分あるが、ステージでは30分を超えることもめずらしくなかった
4位 : B.B.キング「The Thrill Is Gone」(ソロ : B.B.キング)
B.B.キングのブレイクスルーになったヒット・シングルでの最大の聴きどころは、ラジオではおそらく使わない場所にある。曲のラスト2分間、彼の愛機ルシールが主役となって良い音で鳴いてくれるのだ。
キングのサウンドはもちろん非の打ちどころのないものだが、加えてこのソロは、最後の懇願するようなトーンに至るまで歌詞の心情を反映して実にエモーショナルだ。
3位 : チャック・ベリー「School Day」(ソロ : チャック・ベリー)
チャック・ベリーの名曲には、どれを選ぶとしても必ず素晴らしいギター・サウンドがある。しかし「School Day」は何よりイントロが良い。そして、ヴォーカルのフレーズの逐一にチャックのギターが応えつつ、この曲の歌詞が「オチ」にたどり着くまでの期待感を煽っていく様子がすばらしい。ギター・ソロはまさにここで来て欲しいと思う所で登場してくれ、これぞロックだと楽しくなる。
2位 : ウェス・モンゴメリー「No Blues」(ソロ : ウェス・モンゴメリー)
1965年のライヴ・アルバム『Smokin’ at the Blue Note』に収録されている12分に及ぶこの大作の前半は、ジャズ・ギターの頂点と言っても過言ではないだろう。単音のリフからブロック・コードへ、そしてトレードマークのオクターブ奏法へと、ウェス・モンゴメリーは数小節ごとにスタイルを変えながらメロディックに展開していくのだが、なぜかバンドは常に次の予測ができているというのも凄い。ウェスのリズム・コードが完璧なのにウィントン・ケリーのピアノが敢えて一歩踏み出してくる場面もある。
1位 : ジミ・ヘンドリックス「Purple Haze’ (Woodstock version)」(ソロ : ジミ・ヘンドリックス)
ジミ・ヘンドリックスの「Star-Spangled Banner (アメリカ国歌) 」はウッドストックを象徴するシーンになったが、彼はその後のメドレーでさらに大きな栄光を手にした。
バンドを引っ張りながら「Purple Haze」を演奏していた際の次の場面、本編から外れてとてつもなく長い完全なソロ、カデンツァが始まるのだ。これは3分強の巨大な打ち上げ花火だ。
これ以上は無理だろうと思う観客を尻目に、ジミヘンはどこまでも高く舞い上がっていく。そして、雲の上に降り立った彼は、今日では「Villanova Junction」として知られている曲を幸福感たっぷりにプレイするのだ。何年も経た現在の感覚でも圧巻の、まさに歴史に残るパフォーマンスだ。
Written By Brett Milano
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