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リトル・リチャードの先駆的な人生と作品を深く掘り下げる新たなドキュメンタリー映画が製作中
ロックンロールのパイオニア、リトル・リチャード(Little Richard)の先駆的人生と作品を深く掘り下げる新たなドキュメンタリー映画『Little Richard: I Am Everything』が現在製作中だ。
映画のタイトルは「私は革新者である。私は創始者である。私は解放者である。私はロックンロールの創造者である(I am the innovator. I am the originator. I am the emancipator. I am the architect of rock‘n’roll)」というリトル・リチャードの名言から付けられた。監督はリサ・コルテス(『All In: The Fight For Democracy』『The Apollo』)、ディー・リース(『ブルースの女王』『マッドバウンド 哀しき友情』)が製作総指揮を務めている。
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リトル・リチャード(本名:リチャード・ウェイン・ペニマン)は、1950年代の音楽シーンに彗星の如く現れ、全く新しい、大胆なサウンドと奇抜なキャラクターで音楽ファンを魅了した。メインストリームのラジオ局でクロスオーバー・ヒットを記録した最初の黒人アーティストの一人でもある彼は、「Long Tall Sally」「The Girl Can’t Help It」「Good Golly, Miss Molly」、そして斬新なサウンドでリスナーを驚かせた「Tutti Frutti」など、数々のヒット曲を世に送り出した。 当時は当たり前とされていた人種差別と貞淑な社会規範に異議を唱えたリトル・リチャードは、その後、何世代にもわたるアーティストたちに影響を与えている。
監督のリサ・コルテスは声明の中でこう述べている。
「リトル・リチャードという隕石が 私の世界に火をつけた瞬間があります。その圧倒的な歌声と誇り高く颯爽としたオールバックで燃えるような輝きを放っていた彼は、既成概念にとらわれず行動し、勇敢な人々、黒人、性的少数者であるがために沈黙している人々に発言の場を与えようと奮起させてくれました。ロックンロールの創造者である彼は、慣習に逆らうことの非道と罪深さをいとも容易く凌駕しました。そして、それは物語のほんの始まりに過ぎないのです。先駆的なプロデューサーであるディー・リースと共に、正真正銘のロックンロールのキングであり、クイーンでもあったリトル・リチャードの王座を奪還するつもりです。永遠に彼が君臨できるように!」
ディー・リースもまた次のようにコメントした。
「リトル・リチャードの影響は、エルトン・ジョン、ザ・ローリング・ストーンズ、プリンス、モーゼス・サムニー、フランク・オーシャン、ブリタニー・ハワードといった境界線を押し広げているアーティストたちへ、その血筋が受け継がれています。もしリトル・リチャードが大胆不敵にも、新しい音楽と社会の地平に、それまでとは全く異なる道を切り拓いていなければ、ジャンルを越えた音楽的革新、魂が震えるようなパフォーマンス・スタイル、そして今日のような誇り高い、アイデンティティーを重視した音楽文化は生まれなかったでしょう。リトル・リチャードは常に一歩先を行き、恐れずに最先端からリードしていました。他のアーティストが彼のアイデアを自分の手柄にしたり、彼のスタイルを真似したりしていたとしても、彼は惜しみなく創造し、共有し続けたのです」
ローリング・ストーンとバンガロー・メディア+エンターテイメントが共同製作を手掛ける映画『Little Richard: I Am Everything』には、数十年分のアーカイブ映像に加え、リトル・リチャードの友人や家族、仲間たちへのインタビューも収められる予定だ。ローリング・ストーンによると、今年5月に87歳で亡くなった彼の友人や家族もこの映画にアドバイザーとして関わっているという。
Written By Sophie Smith
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